Kaizen Platform 2024年12月期第3四半期決算説明会レポート「デジタルマーケティング市場の構造変化を捉え、生成AI活用とDX支援で収益性を向上」
こんにちは!Kaizen note編集部です。
2024年11月14日、株式会社Kaizen Platformは2024年12月期第3四半期の決算を公表しました。
本記事では、2024年12月期第3四半期の業績ハイライトをお届けします。
2024年12月期 第3四半期の業績:収益性が改善、赤字幅が縮小
2024年12月期 第3四半期の売上高は33億8,500万円となり、前年同期比で6.2%増となりました。EBITDAは1億4,800万円で、前年同期比で23.7%増加しています。
営業利益はマイナス3,000万円となり、前年同期のマイナス7,500万円から4,500万円改善しました。経常利益はマイナス2,100万円で、こちらも前年同期のマイナス7,100万円から大幅に改善しています。
生成AI活用による顧客体験DXの新サービスの提供開始や、大企業のレガシーシステム課題に対する独自のソリューション展開など、新たな成長機会の獲得に向けた取り組みが進展しています。引き続き収益性の改善を図りながら、市場の変化に対応した事業展開を加速させていく方針です。
事業ハイライト1:インバウンド向け動画広告パッケージの提供開始
円安の影響を受け、インバウンド需要が高まっている状況を踏まえ、新たにインバウンド向けの動画広告パッケージの提供を開始しました。Kaizen Platform USA(Kaizen Platform米国子会社)の米国のクリエイティブディレクターが、直接ネットワークしている海外在住のキャストを活用したクリエイティブ制作を行い、日本に滞在している外国人旅行者へのアプローチを可能にするソリューションです。
事業ハイライト2:宮崎県延岡市の実証実験にアプリのウェブアクセシビリティとして参画
総務省の地域デジタル基盤活用推進事業の採択案件として、宮崎県延岡市の防災アプリのウェブアクセシビリティ向上プロジェクトに参画しています。
近年、日本では台風や線状降水帯による災害が増加しており、防災情報へのアクセシビリティ対応は重要性を増しています。高齢者や障がいをお持ちの方々が防災情報にタイムリーにアクセスできる環境整備を目指し、支援を行っています。
事業ハイライト3:生成AI活用による改善AIソリューションの提供開始
生成AIを活用した新たなAIサービスラインナップの提供を開始しました。これまで支援してきた1,200社50,000件以上のUX/DX改善の実績とノウハウを活かし、4つのサービスラインナップを展開します。
具体的には、生成AIを顧客体験にオーダーメイドで組み込む「KAIZEN AI-UX LAB」、企業ごとにカスタマイズしたAIワーカーによる業務支援を行う「KAIZEN AI-WORK LAB」、そしてこれらの特定機能を手軽に導入できるパッケージサービスとして「KAIZEN AI-UX」と「KAIZEN AI-CoWORKER」を提供していきます。
このサービス開発の背景には、Kaizen Platformがこれまで支援してきたプロジェクトで直面した課題があります。例えば、口座獲得は増加したものの後工程のコールセンターや事務センターが処理しきれなくなる、あるいはリード獲得は伸びたもののインサイドセールスの人員不足により顧客を待たせてしまうなど、デジタル上での顧客体験改善が人材不足によって十分な効果を発揮できないケースが見られました。
これらの課題に対し、Kaizen Platformでは生成AIの活用に着目。ユーザーへの個別サポートや、コールセンター、営業など人の対応が必要な業務の前捌きを代替していくための研究開発を進めてきました。A/Bテストを通じた知見や、既存システムに影響を与えることなく実装できるKAIZEN ENGINEなどの技術基盤を活用し、AI時代における新たな顧客体験の創造を目指します。
カスタマイズメニューでは、ユースケースの策定に向けたワークショップから、企業ごとに最適化されたAIワーカーの研究開発・実装、効果検証のためのPDCA運用まで、専門のAIチームが一貫して支援する体制を整えています。また、パッケージメニューでは、すでに成果が確認されている生成AIの特定機能を個別提供していく方針です。
業績推移:セグメント別の業績が堅調に推移、トランスフォーメーション領域でさらなる成長へ
事業セグメント別の状況を見ると、グロースセグメントではUXの強い需要に対応するため体制増強を継続しており、さらなる収益拡大を目指しています。第2四半期にディーゼロ社の繁忙期(3月)が前倒しされていたため、一部季節性が変化しているものの、全体としては堅調に推移しています。
トランスフォーメーションセグメントでは、コンサルティング案件が好調に推移しています。今後はコンサルティング案件からIT開発案件への接続を強化し、さらなる成長を目指す方針です。
第3四半期の実績として、営業利益は1,500万円の黒字を計上。セグメント別の内訳を見ると、サイト改善・制作(UXソリューション)、集客改善(動画ソリューション)、CRM改善(DXソリューション)からなるグロース売上と、コンサル/ワークショップ(DXソリューション)およびSESで構成されるトランスフォーメーション売上が、それぞれ安定的に推移しています。
取引アカウント数とARPU:クロスセル戦略が奏功、ARPU向上で収益性を強化
国内事業全体では、クロスセルによるARPU向上が引き続き堅調に進展し、取引アカウント数は4%減となったものの、ARPUは10%増を達成。その結果、売上全体では5%の成長を実現しています。
セグメント別では、Kaizen Platform単体のグロースセグメントでは、一部プロジェクトで契約更新の遅延が発生し、取引アカウント数が9%減少する結果となりました。一方で、更新済みの案件では順調にARPUが8%増加しており、これらの増減により売上は1%減となっています。契約更新の遅延については、一部のシステム対応やお客様との確認プロセスに時間を要していることが要因となっています。
ディーゼロ社を含むグロースセグメント全体では、制作後の保守運用フェーズのお客様が着実に積み上がっており、取引アカウント数は3%増加しました。ARPUは1%減少したものの、売上は2%増となり、セグメント全体として再成長の軌道に乗り始めています。
トランスフォーメーションセグメントでは、コンサルティング案件が引き続き好調に推移しており、取引アカウント数は4%減少したものの、ARPUは12%増加し、売上は8%の成長を達成しています。特にコンサルティングプロジェクトについては、お客様の慎重な意思決定プロセスにより検討フェーズが当初想定より長期化する傾向にありますが、着実に案件を積み上げています。
今後の成長戦略:デジタルマーケティングの変革期を捉え、攻めのDX支援を加速
デジタルマーケティング市場において、生成AIの急速な進化による検索行動の変化や、プライバシー保護強化に伴うターゲティング精度の低下、消費者保護の強化によるアフィリエイト広告の規制など、従来の手法が通用しにくい環境へと急速に変化しています。
このような環境下で、Kaizen Platformは企業のDXを「アナログ」から「デジタル化」、そして真の「DX」へと導く支援を展開していきます。具体的には、圧倒的なROIを実現するサイト改善とコンサルティングを起点に、デジタルマーケティングBPO、制作、IT開発までをワンストップで提供。さらに、生成AIを活用した生産性向上支援や、UI/UXへのAI機能実装支援など、新たな価値提供を進めていきます。
成長戦略の軸として、直販強化や戦略的提携、M&Aによるアカウント数の拡大、コンサルティングを起点とした下流工程へのクロスセルによるARPU向上、そしてデジタルマーケティングやIT開発ニーズの取り込みによるサービス領域の拡大を推進。「国内で最も良質なDX案件が集まる場」としてのポジショニングを確立し、DXのEMSとして顧客の事業変革を包括的に支援していく方針です。
以上がハイライトとなります。詳細については、下記をご覧ください。
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