始めて、5ヶ月は無収入で挫けそうに。Web業界未経験ママがフリーランスで活躍できるようになるまで
クライアント企業の事業最大化を実現する、Kaizen Platformにおいて欠かせない存在が、デザインとエンジニアリングのスキルを備えた「グロースハッカー」の方々。
企業やサービスのWebサイトなどのデザインの改善策を提案し、ユーザーのクリック数の増加や売り上げ向上につなげることで、事業をグロースさせる役割を担います。
今回お話をうかがうのは、グロースハッカーの平野実子さん。
子育てしやすい環境を目指して東京から福岡に移住後、9歳と6歳のお子さんを育てながら、ベビーマッサージ講師と在宅でグロースハッカーのダブルワークをしている平野さん。Kaizenとの仕事の他にも、3人のママと「Webデザイン&制作チーム」を構え、ファミリー向けの制作案件を中心に活躍されています。
そんな平野さんですが、グロースハッカーになりたての頃はなかなか受注につながらず、苦労もあったそう。初心者から月平均して20万円を稼ぐ(※)フリーランスママになるまでの道のりはどのようなものだったのでしょうか。
(※)……グロースハッカーのお仕事のみの収入 《聞き手・TAIZO(Kaizen Platform)》
やりがいある仕事。一方で、鍵っ子だった自分と同じ思いを子どもにさせてしまうかもしれない不安
──(平野)実子さんは、初心者の状態から「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」を経て、グロースハッカーのキャリアをスタートしました。まず、講座を受講しようと思ったきっかけからうかがいたいです。
平野実子さん(以下、平野) 元々は、子育てをしながら、ベビーマッサージ講師とイベントプランナーの仕事をしていました。仕事にやりがいを感じていたので、軌道に乗れば乗るほど、水を得た魚のように働いていて。一方で子どもとの時間が減っていることに気づき、もっといい時間の使い方があるのではないかと疑問に感じていました。
ベビーマッサージのブログを更新しようとしたら、「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」の広告が出てきたのが、講座を知ったきっかけです。在宅ワークについてよく検索していたので、広告でターゲティングされていたんでしょうね。
──それまでグロースハッカーという仕事について知っていましたか?
平野 いえ、まったく知りませんでした。ただ、在宅で完結するのと、内容がデザイン関連だということに興味が湧いて。実は昔、Webデザインに興味があってスクールの資料請求までしたことがあったんです。
Web制作のスキルを身につけておくこと、家での時間を自由に活用しながら働くことに将来性を感じ、そのままエントリーしました。
──お子さんのそばにいたい気持ちが一番大きかったんでしょうか。
平野 そうですね。わたし自身、子どもの頃、両親が共働きで鍵っ子だったんです。同じ思いを子どもにさせたくないと思っていたのに、気づいたらその方向に突っ走っていたのでハッとしました。
元々勤め先があって育休を取得して出産したのであれば、その後も同じキャリアのなかで調整していたのかもしれませんが、わたしの場合は産んでから仕事を始めたので。できれば子ども中心の選択肢から選んでいきたいという思いがありました。
5ヶ月間は無収入で挫けそうに。初期投資を回収できるまでの1年
──そこから半年間、「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」を受講されました。受講後、仕事をスムーズに受注できるようになるまで、最初は苦戦されていたと聞きました。
平野 今考えると、よくグロースハッカーとして登録してたなって思うほどの実力しかなかったので、案件に応募してもなかなか採用されませんでした。とにかく一週間でデザイン案を2本は提出するのを目標にして続けていましたが、本当に心が折れそうでした。
最初の5ヶ月は無収入だったんです。わたしには才能ないのかもと思って、別の仕事を始めることも考えていました。
──最初にうまく受注につながらないと辞められてしまう方もいると思うんですが、よく続けられましたね。
平野 いよいよ辞めようかなって思っていたとき、1案件やっと採用されたんです。それからは徐々に採用案件が増えていきました。初心者の場合は、とにかくめげずにペースを崩さず手を動かすのが大切だと感じましたね。
現在はグロースハッカーの仕事だけで月に平均して20万円の収入を得られています。初期投資の約45万円(講座受講料20万円、パソコン購入費20万円、ソフトの年間利用料に約3万円など)は、1年足らずで回収できました。
「仕事に穴を開けられるのでは?」発注側の不安を払拭するフリーランスママチームの立ち上げ
──現在、Kaizenでグロースハッカーの仕事をこなされている一方で、同じ「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」の卒業生とチームも立ち上げられていますよね。
平野 チームである必要性を感じて、フリーランスのママ3人で『コムスビ』という「Webデザイン&制作チーム」を立ち上げました。というのも、ママさんって発注側からすると「仕事に穴を開けられるんじゃないか」という不安がどうしてもあると思うんです。
”消費者目線”で考えて”お客様の一員となって”作ることが得意な、ママ3人によるデザイン&制作チーム『コムスビ』
でも、チームであれば、子どもが体調を崩したり行事が重なったりしても、他のメンバーでカバーすることができます。つい最近もメンバーの1人が第二子を出産しましたが、必要に応じて赤ちゃんを交代で抱っこしながら、あーでもないこーでもないと仕事のことを話し合っていますよ。
──案件はたくさんある実感がありますか?
平野 ありがたいことにママさんがターゲットの案件は多く、いつも手一杯です。地元の保育園や託児所を運営している方から「コムスビさんしか思いつきませんでした」と仕事を紹介していただいたり。ベビー用品やペット関連の案件まで、携わりながら和むお仕事ばかりです。
──在宅グロースハッカーとしての働き方はどうですか。
平野 能動的に働きたいわたしには理想の働き方です。自分でどれくらいの案件を受けるかを決められるので、「受けなきゃ」というよりは「やりたい」というイメージでこの仕事は取り組んでいます。
自分の好きな時間にできるのがなにより魅力で、夜、子どもを寝かしつけた後もよく没頭しています。声をかけてもらえるのがうれしくて、つい詰め込んでしまいますね(笑)。
人のためになれるうれしさと、ゲームのような楽しさ。どちらも生活を豊かにしてくれる
ベビーマッサージ教室での平野さん。福岡にて、月7~8回のペースで開催しているそう(出典:「理想の生活を叶えるベビーマッサージ講師とグロースハッカー」)
──ベビーマッサージ講師のお仕事も続けられていますが、ベビーマッサージとグロースハッカー、それぞれどんなやりがいを感じますか?
平野 ベビーマッサージの仕事は誰かのためになれているといううれしさがあります。育児でいっぱいいっぱいになって来られたママさんが、帰りは笑顔で帰っていくのを見ると、本当にうれしくて。
一方で、グロースハッカーのほうは、コードを書いてパチッとはまったときが、テトリスでブロックが一気に揃って消える瞬間のような気持ち良さがあります。
人のために奉仕できるベビーマッサージの仕事と、ゲームする感覚で楽しんでいるグロースハッカーの仕事。まったく違う感覚ですが、両面ですごく満たされている感じがしますね。
──今後、お仕事を通して実現したいことはなんでしょうか?
平野 「いつか母親になったときに、子どもと一緒にFUJI ROCK FESTIVALに行く」という夢があったんです。自分の力でお金を稼いで、めいっぱい遊ぶ、大人になるってこんな楽しいんだよってことを子どもたちに見せたいなと思っていて。
去年それがやっと実現できて、やっぱりすごく楽しかったので、夏休みの恒例行事にしたいなと企んでいます。もうちょっと子どもが大きくなったら海外のフェスにも。
働く楽しさと、稼ぐことがいかに人生を豊かにしてくれるのかを、好きな仕事をする自分の姿を通して知ってもらえたらすごくうれしいですね。
取材に同席していた娘さんたちと。ご協力いただきありがとうございました!
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