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「わからない」にどう追いついて行くか。マーケターは人の畑を耕すぐらいで良い

ワタシのカイゼン学 #01
リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 CRMグループ 石井智之さん

各企業で活躍するマーケターに日々の取り組み、考えかたをうがかっていく「ワタシのカイゼン学」。第一回は、大学院卒業後リクルートに入社し、Googleを経て、現在はリクルートライフスタイルでマーケティングを手がけている石井智之さんにお話しをうかがいました。

直感、思い込みが通用しなくなってくる

マーケティングに興味を持ったのは新卒でリクルートに入社したときです。
僕は昔から理論を大事にして「フラットに判断する」ことを大事にしてきました。そういうところを当時の上司たちから「マーケティングに向いているんじゃないか」と思われたのか、マーケティング部に配属されたんです。

ユーザーの行動の多様化に伴って、ユーザーの嗜好嗜好を満たす条件も多様化していることはマーケターなら誰でも感じていると思います。この変化は僕がマーケティングをやる以前から起きていて、領域や段階、考えるべき観点がどんどん増えているんです。観点が増えればマーケットは細かく分かれていく。

例えば、集客としてのマーケティングでも同様で、これまで以上に意思決定の難易度が上がっています。ユーザーに届け、動かすための一手もこれひとつで講じられるというものはなく、ユーザーの嗜好ごとに細分化・複雑化している現状があります

だからこそ、マーケティングは重要度を増していくと思っています。

具体的にいうならば、いまの10代の人が何を感じて、何にモチベーションを感じて行動を起こしているのかを考えるときに、直観や思い込みは通用しません。自分はいま30代なので、自分が感じていること、わかっていることだけでは10代にヒットしなくなってくる。つまりは直感や思い込みだけではいまは80点とれていても、明日明後日は70点、60点と下がっていってしまうんです。

これは自分だけじゃなく、周りのマーケターもみな苦しんでいるのではないでしょうか。でも、この「わからない」にどう追いついていくかを考え 、今日50点だったことが明日は60点、70点と上げていくかを考え、努力していくことがマーケターとしての自分のチャレンジだと思っています。

マーケティングは「少し人の畑を耕す」ぐらいが良いと考えています。わかり易さの観点で変化の歴史があるSEOを例にしますが、以前は検索エンジンの傾向分析は大前提として、指示書レベルのディレクションができたら一定価値を発揮できていました。しかし、SEOという概念は日々変化しています。

現在は「一定の情報消費行動のなかで良質なユーザー体験とは何なのか?」を考え、理解してどう提供していくかを考えるのが重要になってきています。こうした変化を考えると、ディレクションだけではなく具体的な実装方法やサーバの設定といったレイヤーにまで視野を広げていくとよりスムーズに進めやすくなってくる。

つまり、マーケティングのフィールドは広がっているんです。

この広がりを感じ取るためにも、極力分業しない組織運営をしていて、成長していく中でイチ人格が複数スキルを備えていくと良いのではないかと、周りに話しています。フィールドは広がっているのに、一人が動かせる範囲が変わらなければ、相対的に影響力が小さくなってしまうので…

人の畑を耕す、つまりは「こっちも興味があるからやってみたい」と言うなら「やってみろ」と返す。自分の仕事、得意分野以外にもアンテナを広げていく。興味があるなら飛びついてみても良いと思っています。


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