デザイン力を高めるには、まずは知識。理論派グロースハッカーが考える動画制作に必要な思考とは
クライアント企業の事業最大化を実現する、Kaizen Platformにおいて欠かせない存在が、デザインとエンジニアリングのスキルを備えた「グロースハッカー」の方々。
WebサイトやUI画面の改善案を作成したり、バナーや資料をより目にとまりやすい動画にしたりすることで、事業をグロースさせる役割を担います。
今回お話をうかがうのは、西村大さん。
西村さんは、3Dプリンターを使ったプロダクトデザインの仕事と両立しながら活躍するグロースハッカーです。今回は、未経験からスタートしたAfterEffectsの勉強方法や西村さんのバックグラウンドなどをうかがいました。
※本取材は、2019年11月に実施したものです
《聞き手・TAIZO(Kaizen Platform)》
動画投稿サイトで培った動画制作技術
ーーKaizenと出会う前は、どういったお仕事をされていたんですか?
西村大さん(以下、西村) システムエンジニアやデザイン講師など、ITにかかわる仕事を幅広く経験してきたのですが、30歳以降はWebクリエイターをメインにやっています。
ーーWebクリエイターへの転身にはどんなきっかけが?
西村 30歳になった頃がちょうどFlash全盛期。当時、始まったばかりのニコニコ動画にハマって、動画投稿を始めたのがきっかけですね。その頃は3Dプリンターが流行りだした時期でもあって。私も3Dプリンターを使った動画を投稿していました。
そのときに、その動画を観ていたある会社からヘッドハンティングを受けたんです。それで3Dプリンター事業の立ち上げをすることになり、北九州や沖縄など地域を転々としながら各地域で事業を手伝っていたのですが、途中で体を壊してしまい、これからどうしようかなと考えていたときに出会ったのがKaizen Adですね。
ーーそんな経緯だったんですね……!
西村 体を壊したときに、私は同じことを長く続けられないタイプなんだなということが分かって、会社で働くことは諦めました。でも、生きるためにはお金を稼がないといけないじゃないですか。3Dプリンターでモノを作って販売する造形屋の仕事で収入は得られていたんですけど、もう一つ家でできる仕事を探していて。それで動画制作ならできるぞと。
ーーでは造形屋と動画制作を両立しているんですね。フリーランスで似たような仕事をやりながらだったり、会社員の方が副業でやったりは多いですが、西村さんみたいなパターンは初めてです。
西村 アナログとデジタルですからね(笑)。真逆だなと思いますが、自分の中ではバランスがとれているんです。
一番重要なのは、知識としてのデザイン
ーーまだ本格的に始められてからは半年くらいですよね。これから始める方にアドバイスするとしたら、どんなことを伝えますか?
西村 まず、AfterEffectsの使い方が分からないと何もできないので、Adobeのチュートリアルは絶対にやった方が良いと伝えます。
Adobeのチュートリアルはものすごく分かりやすいです。私も2月に初めてAfterEffectsを使ったんですけど、おかげですぐに操作方法を理解することができて、そのあとはAfterEffectsに関する本を一冊読むだけである程度は使えるようになりました。
ーーなるほど、西村さんはどういった方がKaizen Adに向いていると思いますか?
西村 グラフィックデザイン経験者には、敷居が低いんじゃないかなと思います。考え方としては、レイヤーに対して時間軸が増えるだけなので。
ーーデザイン力が重要ということですか?
西村 Kaizen Adでの動画のエフェクトって、ある程度できることが限られていると思うんです。もちろん、エフェクトに時間をかけてこだわれば作れる動画の幅は広がります。
でも、Kaizen Adに多い15秒〜30秒の動画では、どれだけ時間内にスッキリおさめて、綺麗に表現するかが重要です。それだったら、構図のデザイン力が高い方が良いんじゃないかなと。身も蓋もないことを言うと、エフェクト自体はプラグインを買うという手段もありますからね。
ーーデザインは配置バランスも重要ですよね。他の方に聞くと、経験が重要と言う声が多いのですが、西村さんはどう考えていますか?
西村 私は理論的にデザインを組むタイプなので、余白をどれだけ上手く使えるかが重要だと考えています。水野学さんの『センスは知識から始まる』(朝日新聞出版)という本が好きなんですよね。知識があって初めて、良い配置や良いレイアウトを作れるということが書かれているんです。経験ももちろん大事なんですけど、知識としてデザインに関する本を読み込むことが大事だと思います。
「とりあえずやってみた」結果、アイデアに迷うことはない
ーーKaizen Adを始めた当初と今で、制作スピードは変わりましたか?
西村 だいぶ早くなりましたね。というのも、自分が今まで作ってきたモノをパーツコンポーネント化して、ある程度使いまわしができるようにしてみたんです。コンポーネント化しておけば、あとは読み込んで配置するだけで終わりなのでかなり楽になりました。
ーー効率化のために、省略できる部分は積極的に省略していくんですね。じゃああまり悩んでいることってありませんか?
西村 いや、あります。私は文字組みがどうしても苦手で、最後までもやもやしてしまうことが多いんです。作ってみて、一応読めるし、分かるし、見えるけど、もっと良いものがある気がして満足できないというか。
ーーアイデアが複数浮かんだなかで、どれにしようか悩むこともありますか?
西村 それはないんですよね。アイデアよりも、とりあえず作ってみるというタイプで。
私、動画を作るとき、BGMを先に決めてしまうんです。音楽のアクセントやリズムに合わせて考えるとイメージが沸きやすい。500曲くらいの中からBGMを選ぶような案件もあるじゃないですか。音楽を選べる案件は、私は結構苦じゃないです。
ーーグロースハッカーの中でもニッチだと思います(笑)。他の方だと「絞っていただけると助かります」といった声は多いです。
西村 私も初めてのときは、500曲を目の前に悩みましたけど、やってみると「これしかない」という曲が見つかるんですよね。そもそも、尺が30秒のものでも数十曲に絞られますし、使いやすい曲って限られていますから。
ーー西村さんの「とりあえず作ってみる」という感覚は、短納期のKaizen Adと相性が良い気がしますね。
第三者の目の重要性に気づいたCS審査
ーーKaizenでは、納品物に対するCS審査を行なっていますが、審査の戻しについて納得いかないことってありますか……?
西村 特にないですね。むしろ、一人で籠って作業しているので、第三者の目で審査してくれるのはありがたいです。自分では出来てると思っていても抜けている部分ってありますから。昔だと私も不安で仕方なくて、母に見てもらっていたことありますよ(笑)。
ーーでも実際のユーザーターゲットになるような人の目って大事だったりしますからね。
西村 そうですね。結局、このタイミングやこの速さで「理解できるか」「何を伝えたいか分かるか」が重要ですからね。
ーーそれでは、最後にこれからグロースハッカーを目指す人にメッセージをいただけますでしょうか。
西村 まずは、トライアル案件をやってみましょう! 最初は大変かもしれませんが、それをクリアできれば必ず勢いが付きます。
ーーありがとうございます、これからもよろしくお願いします!
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