Kaizenがクライアントの右腕として伴走。目先の改善だけでない根本的な課題解決に挑んだNTT西日本のCX改善プロジェクトとは
Kaizen Platformでは、顧客体験DXを掲げ、Webサイト改善や動画広告の効果改善など、デジタル領域における様々な課題解決に取り組んでいます。一方で、昨今はお客様が抱える課題も多岐に渡るため、クライアント側のリーダーの右腕として、PMOによるプロジェクト全体の伴走支援も行っています。
今回支援させていただいたのは、『フレッツ光』などのサービスを展開するNTT西日本様。同社ではWeb上での顧客体験(CX)向上のための知識・ノウハウが不足していることに課題を感じ、このたびKaizen Platformにご相談いただきました。
そこで今回は、Kaizen Platformへご相談いただいたキッカケや背景、またKaizen Platformがどのようにプロジェクトを進めていったのかについて、CX改善プロジェクトのリーダーを務めるNTTビジネスソリューションズ株式会社 光ビジネス営業部 担当部長の谷様、そしてKaizen Platformからはプロジェクト全体のPMOを担当した坂藤 、CVR改善やSEOのプロジェクトなどでPMを担当した西田、そしてグループ会社のディーゼロからはWeb制作領域を担当した渡邉を交えて、プロジェクトを振り返ります。
ただ言われたことをやるだけではない。共に課題解決に取り組むパートナーであると感じられたことが依頼の決め手
坂藤:今回、取り組みとしてはサイト制作チームによるサイトリニューアルからはじまり、その後に改善施策に取り組むべく、サイト改善チームがジョイン。さらにプロジェクトが多岐に渡っていくようになり、コンサルティングチームをアサインしてと、計3チーム体制、人数で言えば15名以上での大規模なプロジェクトでしたね。
あらためて今回プロジェクトを振り返っていければと思うのですが、そもそもKaizen Platformにご相談いただくに至った背景として、当時どういった課題感をお持ちであったのか教えてください。
谷:昨今は世の中のお客様の情報収集の仕方が変化していたり、Web上の接点も多様化していたりと、お客様の購買行動はどんどんデジタルにシフトしています。そうした変化に対応するためにも、幹部陣からCX(カスタマー・エクスペリエンス)改善に取り組んでほしいとのことで、私含めて5名のメンバーが集められました。
ただ、集められたのは私以外みなWeb未経験のメンバーで、「そもそもCXとは何なのか」という状態からのスタート。チーム内でのCXに関する知識やノウハウがないといった課題感があったことがキッカケで、Kaizen Platformに相談させていただきました。
相談したいことはたくさんあったのですが、まずはトライアルとして小規模なサイトリニューアルから依頼させていただきました。すると企画段階からスムーズで納得感のある提案をしていただき、制作のテンポも良く、満足度の高いプロジェクトだったので、早い段階から信頼できるパートナーだなと感じることができました。
渡邉:NTT西日本様内部で細かな表現のルールやレギュレーションが設けられていたため、はじめのサイトリニューアルにおいては社内審査をクリアするために何をケアすべきかなど、通常のサイト制作とは違った点で配慮が必要なプロジェクトでしたね。
谷:そうしたNTT西日本独自のレギュレーションなど、社内事情もご理解いただいて進めていただけたことも、信頼できるパートナーだと思えた理由でした。
また、Kaizen Platformは伝えた課題感に対して理解がとても早く、納得感のある解決策を提示いただけたりと、ただ言われたことだけをやるのではなく、パートナーとして一緒に課題解決に向けて考え、行動してくれると実感できたことも信頼に繋がった要因です。
そこで次はもう少し課題感の幅を広げて別の依頼をしたところ、またしても的確に課題解決に繋がるアウトプットをしていただけたりと、スモールサクセスを重ねていってくださったことが、結果的に弊社のCX改善全般をKaizen Platformとご一緒することになった理由でした。
目先のCVR改善だけでなく、根本的課題解決のために。PMOとしてリーダーに伴走し、プロジェクト全体を推し進めていった
西田:今回のプロジェクト初期で難しかったのは、目線合わせでした。というのも、私はフレッツ光のサイト改善まわりのPMをメインに担当させていただきましたが、いかに短期間でCVRを高めていくかということばかりに注力してしまい、根本的な課題解決のためのご提案ができていませんでした。
求められていることはサイト改善であると捉えてしまっていたため、谷さまと目線合わせができていなかったんですね。そのため、定例会議でも私が話していることに対して、納得感を持っていただけていないというのを感じていて、このままではプロジェクトが破綻してしまうと危機感を感じていたのを覚えています。
そこで、プロジェクト全体を再設計すべく、コンサルティングチームをアサイン。部分的なサイト改善だけでなく、根本的な課題解決のために何が必要であるかをディスカッションさせていただき、プロジェクトの方向性をあらためて定め、目線合わせを再度進めていきました。
谷:たしかに当初は西田さんの見ているスコープと、こちらが捉えている課題感にギャップがあり、はじめは「感覚が合わないかもしれない」と感じたこともありました。ただ、さすがだなと思ったのは、そこから体制を再構成していただき、坂藤さんを含めた2名体制でPMOとしてプロジェクト全体を伴走いただけたことでした。
SEOを得意とする会社や解析を得意とする会社など、プロジェクト全体の1パーツに特化した会社は多くありますが、そうした会社を複数コーディネートするのがやはり大変なわけで、プロジェクト全体を見るリーダーの右腕として伴走してくれる、PMOの仕組みを提供できる会社というのは少ないんですよね。
また、コンサルティング会社などに壮大な将来像の絵を描いてもらっても、「実際にそれってどうやって実現するの?」と、プロセスがイメージできず悩んでしまうケースもあると思います。
そんな中、Kaizen Platformは両方の視点を持って取り組んでくださったからこそ、リーダーとしても信頼できる相談相手だなと感じましたし、相談相手がいるということ自体が私自身のプレッシャー軽減に繋がりました。
今回、集客支援からCVR改善、さらにCRMの領域含め、CXにおける入口から出口までをすべてを、PMOとしてリーダーに伴走いただきながら、各領域でもそのタスクに適したチームをアサインいただいたりと、ポジションごとに伴走いただけたことも期待以上で、プロジェクト成功の秘訣だったと感じています。
坂藤:昨今はお客様が求めていること、やりたいことが増えていて、従来であればCVR改善だけを見ていたのが、いまでは集客からCRMまでと、課題感も幅広くあります。
そのため、Kaizen Platformとしてもそうした幅広い領域を支援するためには、谷さんのようなリーダーレイヤーの方と同じ目線に立ってディスカッションができないと、真のパートナーにはなれません。
そしてプロジェクトが多岐に渡るからこそ、PMOとしては全体の状況から、何をいつまでに進めなければいけないか、何を決めないといけないのかを毎週クリアにしていき、リソースが足りなければ私自身もプロジェクトに入っていくなど、全体感のバランスを見ながらコントロールして進めていくということを意識していました。
また、NTT西日本様側にもご対応いただかなくてはいけないことも多かったため、定例では翌週のアクションを決めて、NTT西日本のメンバー皆さまにも必ずアウトプットいただくようにタスクを明確にして進めていきましたね。
Web未経験のメンバー中心でのスタートとのことでしたが、メンバーのみなさんのマインドに何か変化はありましたか?
谷:こうしたWebのプロジェクトは、窓口担当者の後ろにデザイナーやエンジニアなど多くの人が関わっているわけで、ひとつの遅延が多くの人の後工程スケジュールにも影響してしまいます。
そのため、スケジュール管理というのは非常に大切なわけですが、そうしたスケジュール感覚が当初メンバーには不足していて、作業の納期割れも頻発していました。
しかし、プロジェクト範囲が多岐に渡り、テーマごとに定例会を週4回実施するといった状況の中、Kaizen Platform側がタスクとスケジュールを毎回整理して、必ず事前にアウトプットして定例会を実施するという姿勢を見せてくださったことで、弊社側で何をいつまでにやらないかが常に明確でした。
そのおかげで、タスクを遂行しないとプロジェクトが遅延するといった危機意識や責任感がメンバー内にも生まれ、結果的に大きな後戻りもなく、プロジェクト進行に求められるマインドセットがメンバー間で醸成されたなと感じています。
チームの一員としてメンバーみなが当事者意識を持てたからこそ、大きなやりがいに繋がるプロジェクトになった
坂藤:今回のプロジェクトでは、フレッツ光のWebからのお申し込みをいかに拡大していくかというミッションに対して、Webからの注文数や問い合わせ数などをKPIとしていました。結果的に、取り組み開始から1年半で注文数は1.5倍に、問い合わせ数は2倍にまで成長しており、プロジェクト全体を通じて非常に高い効果を出すことができました。さらに、既にPoCを実施して成果が出ているものを基幹システムに実装していく予定もあり、さらなる改善も今後見込んでおりますが、そうした成果に対して、社内での反響はいかがですか?
谷:当初は社内の誰もここまで大規模なプロジェクトになるとは想像していなかったと思います。しかし、小さく実験を繰り返して成果が出たことでいまは予算も増えて、チャレンジできることも増えているんですね。
そして、はじめは5人だけのチームでしたが、いまでは多くの部門が本プロジェクトに携わっており、経営幹部からも「このプロジェクトは成果も出ているしいいね」とコメントいただけたり、全面的に支援をいただいて、勢いあるプロジェクトになっているというのは嬉しく感じています。
また、今回のプロジェクトはグループ企業の間でも話題になっており、「ぜひKaizen Platformに相談してみたい」といった話が出たり、社内の他部署からも別プロジェクトのご相談をさせていただいたりと、信頼できるパートナーという認識が広がっています。
西田:はじめは目線合わせができず、ご迷惑をおかけしたにも関わらず、いまは他部署含め、NTT西日本様の社内でクチコミが生まれていて、信頼が生まれているというのはとても嬉しく思います。
そして、これまでKaizen Platformは自社のサイト改善ツールを用いた取り組みがひとつ強みでもありましたが、今回のように複数チームが一緒になり、サイト改善以外の課題解決にも取り組み、クライアントの事業成長に繋がるアプローチができたというのは、とてもやりがいを感じられるプロジェクトでした。
また課題に対する最適な打ち手というのが、自分にとっては新しい手法だったりするケースも今回あったため、学びも多くありました。
渡邉:Web制作でサイトをつくってそのまま、というクライアントも多くいらっしゃいます。しかしNTT西日本様の場合は、サイトを利用するユーザーの反響やどこに課題点があるのかをサイトリリース後でもフィードバックをいただけるため、一緒に改善していくパートナーとして居続けられる関係性が嬉しかったですし、やりがいを感じています。
坂藤:これまでも様々な企業の課題解決に取り組んでまいりましたが、今回のように大規模なプロジェクトに対して、PMOとして伴走するというのは新しい支援の形でもありました。
そしてPMO派遣といったことをされている企業もありますが、真の意味でリーダーの右腕になるような、本当の伴走支援をできているところは少ないと感じています。
そんな中、NTT西日本の皆さまからKaizen Platformの伴走支援をお褒めいただいたのが本当に嬉しかったです。あらためて今回のプロジェクトを振り返ってみて、いかがですか?
谷:まずPMOとして伴走いただけたことは、Kaizen Platformに依頼させていただく最大の利点だと感じています。部分的な改善のみを依頼していた場合は、やはり各事象をリーダー自身が咀嚼して理解し、全体設計を考えていかないといけませんが、それには相当のパワーが必要です。
さらに今回のような大規模なプロジェクトは社内調整にも多くの稼働がかかってしまうからこそ、PMOとして全体のプロジェクトマネジメントをサポートいただけたのは本当に助かりました。
また発注側、受注側といった意識がまったくなく進められたことも、良かった点でした。むしろ、「各施策や領域に、Kaizen Platformのメンバーを“チームの一員” として配置している」という感覚だったんですね。
そのため、パートナーを通り越して、本当に“ワンチーム”という意識でしたし、Kaizen Platform側も言われたことをただやるというスタンスではなく、成果最大化に向けて一緒に考え、動いてくださっていたのはとても嬉しく思いました。
坂藤:谷さま含め、皆さまがKaizenをワンチームという意識で接していただけたからこそ、Kaizen Platformのメンバーも今回のプロジェクトに対して当事者意識を持って取り組むことができたのだと感じています。
そして私自身、マネージャーとして自分たちのメンバーが当事者意識を持てるようにするためにも、お客様と受発注だけの関係ではなく、ワンチームとなるような関係値をいかに築くかが大切であることを学ばせていただきました。
最後に、今後Kaizenに期待していることがあれば教えて下さい。
谷:今後は運用フェーズでいかにPDCAを回し続けるかが重要で、そのためには伴走してもらうだけでなく、いかに自走する組織へと成長していくかが課題であると捉えています。
これまでもKaizen Platfromの皆さんとの会話を通じて、メンバーにはプロジェクトを進めていくスピード感覚やクオリティの感覚、また課題に対してどう考えてアプローチするのかを学んでほしいと伝えており、実際に成長しているなと実感しています。
そのため、これからもKaizen Platformには、伴走支援と合わせて弊社のメンバーにも刺激を与え続けていただきたいと期待しています。
坂藤:私たちにとっても、お客様に育ててもらっているという感覚があり、今回携わったメンバーも成長させていただけているなと強く感じています。
まだまだプロジェクトは続いていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします!