「自律した個」の時代における、会社の存在意義とは。DX人材輩出企業を目指すKaizen Platformが重視する価値観
Kaizen Platformは、ミッションとして掲げる「KAIZEN the World なめらかな働き方で世界をカイゼンする」の実現に向けて、「グロースハッカー・ウェイ」を策定しました。
「グロースハッカー・ウェイ」とは、日本のDX人材不足の課題解決に向けて、デジタルファースト時代の仕事の在り方を再定義するべく、Kaizen Platformが体現し、大事にしている人事制度や企業文化の根底にある主義をまとめたものです。
https://kaizenplatform.co.jp/news/2022-0929-growth-hacker-way
今回は、 Kaizen Platformの人事制度やカルチャーを支える重要な思想である「グロースハッカー・ウェイ」について定めた背景や経緯を、代表の須藤憲司さんに伺いました。
DX支援の中で感じた、DX人材不足の構造的な課題
そもそも 「グロースハッカー・ウェイ」を定めようとなった背景には、DX人材不足への危機感があります。
Kaizen Platformが取り組んでいるDXは、デジタルの力で世の中を改善し、自分たちのビジネスや働き方、生活を改善したいという思いが根底にあります。
ただ、あらゆる企業のDXプロジェクトを伴走支援する中で見えてきた最大の課題は、圧倒的なDX人材の供給不足です。これらの課題は、そもそもデジタルファースト時代の仕事・働き方にアップデートされていない日本特有の雇用慣習や人事制度、組織文化の壁によって、個別企業の中では人材をなかなか育てられないという構造的な課題に起因しています。
日本のDXを加速させるためにも、私たちが率先してデジタルファースト時代に合わせた仕事・働き方を再定義し、企業内でなかなか進まない人事制度改革を実現しようとなったのです。
再定義するにあたり、まず行ったのは言語化です。
実は、今回「グロースハッカー・ウェイ」を定めるために制度やカルチャーを新しく作るということはしてません。最初は新しく作ろうと思ったんですが、改めて整理してみると重要な要素は網羅的に揃っていて、ほとんど困ってなかったんですね。現在運用しているものでカバーできているなと。
例えば、2013年の創業時から「世界のどこにいても働ける」を徹底しようと思っていたので、会議にオンライン参加する人がいることを前提に、全ての会議室にマイクを設置していましたし、ZoomやSlackなども導入していました。コロナ禍になる前からリモートワークが当たり前だったんです。それを今回、「Work from Anywhere」と言語化しました。
つまり、 「グロースハッカー・ウェイ」は創業以来大切にしてきた文化や、運用してきた制度を言語化し、社外の方々に伝わりやすいよう整理したものになります。
「自律した個」の時代に求められるのは、会社の価値観
ここで少し、私が創業時から大切にしてきたことをお伝えします。
私はもともとリクルートに在籍していたのですが、就職活動時からいい会社に入りたいという気持ちもなかったし、年功序列や終身雇用も信じていませんでした。そのため、成果を出せば評価される、という価値観で仕事をしてきました。リクルートでは最終的に当時の最年少執行役員となったのですが、そこで私は会社を辞め、会社を立ち上げることを選択しました。
なかなか軌道に乗らない時期、「個人で仕事をした方が稼げるのに、わざわざ年収を下げて、苦労して会社を作る意味って、何なんだろう?」と、会社の存在意義を考えました。
その時に出会ったのが、ヒューレットパッカード創業者であるデイビッド・パッカードの言葉です。
“個人では成し遂げられないことを実現するため”。まさにそうだな、と腑に落ちました。
私自身もそうですし、特に若い世代の人たちは会社に養ってもらうことを期待していません。「自律した個」になることが求められる現代において、それでも会社に所属して働く理由は、そこにいる人たちと仕事をすることが自分にとって意味があるからです。
数年前のゼクシィのCMで「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というキャッチコピーがありました。これと同様、今は会社に所属しなくても仕事はできますが、それでもその会社で働く理由は、「この会社だから」です。そう思ってもらえるのが、会社の唯一の存在意義です。
では、「この会社だから働こう」と思ってもらうためにはどうしたらいいのか。そう考えたとき、まず自分自身が働きたいという会社にしなければならないと思いました。それは巡り巡って、他の人たちもこの会社で働きたいと思ってくれるはずです。
自分が働きたい会社とはどのような会社なのか。
例えば、働く場所はどうか。創業時はオフィスを構える余裕がなかったので、知り合いのベンチャー企業の会議室を間借りしていました。ただ、想像してみて欲しいんですが、狭い会議室に30代前半のおじさんたちが集まるので、汗臭いんですよ。運動部の部室みたいな臭いがするので、近くのスターバックスで仕事をするようになりました。みんながスタバに出社するようになって、会社に行かなくても、仕事ってどこでもできるなと感じました。
世界のどこにいても、働ける。ライフスタイルやステージに合わせて、いつでも・どこでも働き方を自分でデザインしながら素敵な仲間と、チャレンジングな仕事を共に取り組むことができる。これが、自分が働きたい環境だと気づき、先述のようにツールなど環境を整えました。
このように、少しずつ自分が働きたい会社のカルチャーを育ててきました。
DX人材輩出企業になるために
Kaizen Platformが目指すのは、「デジタルファースト時代のDX人材輩出企業」です。デジタル人材の育成から活躍の場まで、個人の価値観やスタイルを尊重し、いかんなく才能や情熱を発揮できる環境を提供することで、DX人材不足の解消に寄与したいと考えています。
そのためには、あらゆる才能を持った方々に「Kaizen Platformで働きたい」と思ってもらうことが必要です。「この会社で働きたい」と人を惹きつけるものは、価値観です。その価値観が詰まったものこそが、「グロースハッカー・ウェイ」です。
創業から10年経ち、「元Kaizen Platformです」という人も増えてきました。Kaizen Platformを辞めたとしても、DX人材としてKaizen Platformで培ったスキルや経験を活かして活躍することで日本のDXが加速すれば、こんなにも嬉しいことはありません。
「グロースハッカー・ウェイ」という言葉自体は新しく生まれたものですが、こうして創業から培ってきたKaizen Platformのカルチャーや制度、価値観が全てが詰まっています。
Kaizen Platformは「働きがいのある会社」というよりは、「利用しがいのある会社」と捉えていただくのが良いと思っています。
多くの才能がKaizen Platformに集まり、働く場所や時間、雇用形態など「日本の会社の当たり前」に囚われず、なめらかに働くことで、「グロースハッカー・ウェイ」という人事制度や企業文化も浸透していく。この取り組みが日本のDX人材不足という大きな課題解決に繋がり、社会にも貢献していけたらと考えています。
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