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Web・動画制作プロジェクトから社内DX事例まで。仲間と学びを共有する「ベストプラクティス」レポート

Kaizen Platformでは、半年に一回、日頃の業務やプロジェクトを通じて得られた学びを発表する「ベストプラクティス(通称ベスプラ)」というプレゼン大会を実施しています。

ベスプラの大きな特徴として、決して成功例だけではなく失敗例、いわゆる“しくじり”についてもシェアしていくことが挙げられます。
その理由は、KaizenのValueの一つ「私たちは常に自律性と挑戦心を持って改善に取り組みます。」にあります。挑戦には失敗がつきもの。挑戦心をもって取り組むと、必ずと言っていいほど失敗が生まれるからです。そんな失敗は決して無駄なものではなく、次の成功のための必要経費。失敗を次の成功に上手く結びつけるための場としてベスプラは存在しています。

Value
改善者たれ

1. “I’m Possible”
私たちは常に自律性と挑戦心を持って改善に取り組みます。
2. “Never Satisfied”
私たちは常に課題に向き合い、真摯に粘り強く改善に取り組みます。
3. “Build a Great Team”
私たちは常に情報を透明にし、お客様・パートナーと共に改善に取り組みます。

ベスプラは優勝者だけではなく、登壇者すべてに豪華景品が用意されていることもあり、毎回多数の応募があります。当日の登壇者は、事前審査を経て決定されます。
今回は選抜された8つのベストプラクティスをご紹介します。

感染対策の上、リモートとオフラインのハイブリッドで開催しました!

株主総会運営から学んだ、プロジェクト成功の秘訣


トップバッターは経営管理部のYさん。3月29日に開催された株主総会の運営を通して学んだ、プロジェクト成功の秘訣について発表されました。年に一度の会社にとっても非常に重要で大きなプロジェクトのオーナーとして、その大変さや苦悩をどう乗り越えたのか。とても学びになるテーマでした。

上場後初の株主総会の反省点
前回実施した上場後初の株主総会の運営において、最大の反省点はタスクに溺れてしまったこと。いろんなことを自分一人で抱え込んでしまい、細かい指示をメンバーに出すことができなかった。

一人で抱え込まないようにした結果、得られたこと
準備期間は前回の倍の期間である約6ヶ月。運営事務局が対処するタスクを約200個に落とし込み、ガントチャートで管理しながら進行。

例えば「想定問答集の作成」というタスクがある。想定問答集とは、実際の質疑応答の際の参考資料。質疑応答は株主様との直接コミュニケーションが取れる唯一のコンテンツなので、正確に、誠実に回答ができるようにしっかり準備することが求められる。

想定問答一つ取っても膨大な時間を要するので、一人でやろうとすると本当にタスクに溺れてしまう。今回は周りの人に任せたことで少し身軽になったので、より運営しやすい会場を探したり、リハーサルを入念にしたりすることができた。リハーサルについては去年より回数を増やし、3回実施。そのおかげで、事務局と議長との連携や、役員の方との練習を重ねることができた。

プロジェクトを成功させる秘訣
今回の株主総会を通じて学んだ、プロジェクト成功の秘訣は以下。

  • ブレないこと

  • 1人で抱えない。人に任せること

  • とにかく事前に潰せるリスクは潰すこと

  • プロジェクトオーナーと連携を密に取ること

  • 協力してくれるメンバーへの感謝を忘れないこと

この秘訣を踏まえつつ、来年はDXのリーディングカンパニーとして株主総会のDX化に挑戦したい。

インターンが語る、「Kaizenのインターンが活躍できる3つの理由」


BPD部のSさんは今回の発表者の中で唯一のインターンです。プレゼンでは、自らがインターンとして働く中で実感した、Kaizenのインターンが活躍できる理由を3つ挙げました。ZoomやSlackといったツールの活用したオンボーディングの仕組みや、メンター・サブメンター体制は、インターンに限らず、新たにチームにジョインしたメンバーがいち早く活躍するために参考になるものでした。

理由①成長につながるサポート体制

・Zoomを繋いだままのオンボーディング
インターン初期にありがちなのが、「何をどうすればいいかわからない」という課題。業務に慣れるまでの間、インターンが質問したいことがある時には、何度でもzoomで繋いで同期的に進めている。

・Slackのprivate channelでのオンボーディング
「社内の人のことを知らないので、誰に聞けばいいのかわからない」、「会ったことがない人への質問は敷居が高い」という問題を解決するため、Slack上にインターンとメンターだけが入った専用のprivate channelを作成。
初期はここで質問をしてもらうようにし、質問の仕方にも慣れてもらえるようサポート。メンターが解決できない質問が出た場合は、社内の誰に聞いたら良いかを教え、その人に質問することを促す。

理由②受け入れの仕組みとKaizenの風土

・情報のオープンさと、ドキュメント化する文化
QiitaやNotion、GitHubといったツールを業務で用いるのだが、これらの情報に通常の社員とほとんど変わらない権限でアクセスできる。

・Slackのprivate channelからpublic channelでのやりとり
private channelで質問の仕方に慣れたり、社内の誰に何を聞くべきかが分かった段階で、public channelへと移行。自分のタスクの領域に強い先輩と直接やりとりをするようになる。

・立場に関係なくインターンでも一人の社員として受け入れる風土
上記の取り組みにより、インターンは当事者意識を抱きやすくなる。その結果、自分の開発しているプロダクトにおける課題点や改善点を見つけ、その変更を提案するというような働き方が可能に。

理由③インターン同士が助け合う仕組み

・インターンがインターンのサブメンターになる仕組み
インターンは質問がある際、まずはサブメンターに質問し、それでも解決できない場合は社員のメンターに聞くフローにしている。
この仕組みには、インターン同士がコミュニケーションを取りやすくなったり、人に教えることで自分自身の理解が進むといったメリットがある。また、社員のメンターにとってはインターン教育に割く負荷が減るといった側面もある。

このように三者それぞれにメリットのある、インターンのメンバーが増えてもスケールしやすい仕組みが構築できている。以上がインターンが活躍できる理由である。

経験のない未知の案件は、クリエイティブ性で突破する

Web制作歴20年のIさんが発表したのは、今まで経験したことないサイト制作の案件についてでした。それは、「紙のゲームをベースに、ブラウザで利用できるオンライン版を制作する」というもの。そんな未知の案件を進める上で意識した3つのポイントを解説した上で、どの仕事にも共通するクリエイティブ性の重要性をお話しいただきました。

ポイント①難しいテーマを遊びに落とし込む表現設計
このゲームは、子供にとって難しいテーマだったため、興味を引かせるためのビジュアル表現が重要だった。そのため、教育的な無難なイラストではなく、ワクワクするような世界観を描けるイラストレーターを起用。

UI設計においては、以下を意識

  • 今何をやるべきかを迷わせないシンプルな導線設計が最重要

  • 必要な情報を適切な場所に配置し、今の順位や各プレーヤーの位置がどのあたりにいるかを伝える設計

  • BGMやSE、動きの演出による分かりやすさと楽しさの仕掛け

ポイント②ゲームデザインは最後まで楽しめることを重視
「学習要素:遊び要素=3:7」にして、最後まで楽しめるようなフローに構成。

ポイント③要件定義と制作は通常通りに実施
要件定義は、コストやスケジュールの制約の中、技術的にやれること/やれないことの線引き、やりたいこと/やるべきこと/やらないことを決めていく。
そして、未知の案件でも通常の制作フローに落とし込んでいくことが重要。
 1. 完成に向けた工程を洗い出し
 2. 制作全体のロードマップを想定
 3. 地道な工程を順序良く積み重ねる

どんな仕事にも大事なクリエイティブ性
未知の案件こそ、難易度の高さに尻込みするのではなく、クリエイティブ性をプラスして楽しく取り組むことが大切。
また、本案件のような特殊で楽しい仕事は待っているだけではこない。普段の代理店さんやクライアントとのコミュニケーションの中にクリエイティブなアイデアやエッセンスをインプットし続け、いただいた依頼が形になったもの。

今の仕事のやり方や課題解決方法がずっと正解とは限らない。普通の仕事も普通じゃない仕事にできるかもしれないので、どんな仕事にもクリエイティブ性をプラスしてみるのが良いのではないか。

マネジメントにおいて大切なのは、ビジネスプロセスの可視化

ビジネスプロセスマネジメント(BPM)室のSさんは可視化業務マネジメントにおけるベスプラを発表しました。BPM室は、事業部横断で可視化/効率化/標準化の改善活動を実施する専門的な部署として新設。サービスと業務における「ムリ・ムダ・ムラ」の改善を担っています。マネジメントの要とは何なのかが学べる発表でした。

可視化することで、改善ポイントが見える
BPM室の前にいた部署では、生産性向上のための施策件数と、品質向上のためのインシデント率をKPIに掲げていた。それを達成するために行ったのが、“可視化”。
チーム方針、体制図、ワークフロー、タスク、毎日の業務、工数などを可視化し、そこから見えてきた課題を改善に活かすようにした。

マネジメントとは、ビジネスプロセスを改善すること
目標設定が失敗する理由は、途中のプロセスを可視化していないから。例えば、納期が見えるのはプロセスを可視化するから。プロセスを可視化すると「現時点で進捗はここまでだから、納期には十分間に合う」など根拠と自信が生まれる。
日々の業務で言うと、プロセスとはビジネスプロセス(顧客に価値を生み出すための一連の活動)。ビジネスプロセスを可視化し、改善することがマネジメントである。

マネジメントは個性を輝かせるためにある
ビジネスプロセスを可視化し、業務の標準化を推進すると個性がなくなるのでは?という疑問を持つ人もいるかもしれない。
アイザック・ニュートンの言葉に

「“私が彼方を見渡せたのだとしたら それは巨人の肩の上に立っていたからです」

というものがある。巨人の肩の上に立つとは、先人の知恵の上に立ち新たなものを生み出すこと。
例えば、過去施策をナレッジ化し効率的にプランニングすることで、新たな施策を生み出すことが可能となる。つまり、業務の標準化を進めても個性がなくなるわけでない。

Kaizen Platformの強みは、人・ナレッジ・データ。この土台の上に個人の強みを活かした個性の花を咲かせたい。

これからの営業は、「頑張らない」。安定した売上を得るために取り組んだ営業DX


昨年より長期的に、安定した売上成長を目指す「売上のミルフィーユ」計画に取り組んでいるMさんは、進捗が思わしくない原因を分析。その上で、個人ではなく仕組みで成長する営業DXの重要性を共有しました。営業職でなくとも、自分が携わっている業務のDX化が急務であると感じるテーマです。

「売上の崖」に備えた営業が進まない理由
例えば、今期新規で大型受注をいただいたとすると、来期も同程度の金額で継続いただくのは難しい。つまり、必然的に来期は売上が下がる。これを「売上の崖」と呼んでいるが、特に受注金額が大きい新規案件獲得後に発生することが多いので、普段からの備えが必要不可欠。

そこで2021年秋頃から実施したのが「売上のミルフィーユ」計画。「売上の崖」に備えて、月額が安くとも長期契約いただける案件を蓄積してリスクを回避しようというものだ。

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しかし、約半年経っての案件獲得進捗は芳しくない。その理由は、既存の業務に加え、ミルフィーユ案件も自分一人で営業していたから。

売る商品を絞り、営業DXで工数を減らす
例えばミルフィーユ案件を100件とろうと思っても、一人だけではなかなか難しい。そこで、体を張らずとも、仕組みでも成長する事業に進化、つまり営業DXをすることに。

具体的には下記2点を実施。

1.売るツールを「KAIZEN SALES」に絞る
ベースのミルフィーユの土台を最速で作るため、比較的導入しやすい営業DX支援ツール「KAIZEN SALES」を売ることに。
※「KAIZEN SALES」とは:https://kaizenplatform.com/sales

2.「KAIZEN SALES」の営業に必要な説明スキルを資料・動画化
初期説明やよくある質問への回答などの資料・動画化して、工数を減らす。

今後は簡単にたくさん売れる営業DX戦略により、長期的に安定した売上成長を目指していく。

満足度がより高くなるWebサイトを作るには?抑えるべき4つのポイント

Sさんは、Webサイトリニューアル事例を通して、お客様の満足度をぐっと上げるWeb制作のポイントをシェア。
要望通りのサイトを制作するのは当たり前。では、どうしたらプラスαでお客様に喜んでもらえるのか?それは、準備段階で既に決まっていると言っても過言ではないと感じる内容でした。

ポイント①お客様の真の目的・要望を引き出す
他社のサイトを参照しながら、お客様の「これはしたい!」「これはしたくない!」をできるだけ引き出す。そうすることで、真の目的・要望が見えてくる。その上で具体的な改善ポイントを提示する。

ポイント②使用素材は新たに撮影をする
サイト全体のトンマナを揃えるために、プロフィール写真や建物の外観・内観写真は新たに撮影を実施するのがベスト。

なお、撮影においては「準備が9割」。
具体的には

  • カットリスト作成:事前に使用備品や撮影対象モデルをサンプルを用いながら明確に可視化、ポーズや衣装まで細かく事前に決定

  • ロケハン2回、事前許可取:場所によっては1ヶ月前から許可申請

  • 分刻みの香盤表:屋外での撮影の場合、雨天時の香盤も作成という入念な準備が必要。

ポイント③予算やスケジュールは余裕を持って確保しておく
打ち合わせを重ね、ページが具体的にイメージできるようになると、より良いサイトにするためのアイデアが多く出てくる。それらを実現できるよう、予め予算やスケジュールにバッファを持たせておくと、臨機応変に対応できる。


ポイント④定例会でのこまめなケア
毎週の定例会で「私たちは今案件のどこにいて、どんな課題があって、次にどんな宿題があるか」を明確に提示。お客様と一丸となって制作を進行するために、こまめな声かけやフォローを行う。

一つひとつのポイントを抑えながら無事Webサイトリニューアルが完了。結果的にGoogle検索の掲載順位がUPするなど、満足度向上につながった。

停滞しかけたプロジェクトを救った起死回生の一言とは

Tさんは動画制作案件を進行する中で、停滞してしまった時期に得た学びを発表しました。
これまで類似案件をいくつも手がけていたにも関わらず、なぜ停滞してしまったのか。改めて動画制作プロジェクトで抑えるべきポイントを振り返った上で、停滞状況を打破した“ある一言”の重要性に触れました。

動画制作プロジェクトで抑えるべきこと

動画制作のプロジェクトを進める上でのポイントは以下の5つ。

  1. 工数を正確に見積もる

  2. 出来ること/出来ないことを明確にする

  3. 相手の課題、ニーズを把握する

  4. 適切なチーム体制の構築

  5. 必要な役割を担うメンバーを揃える

どれも当たり前のことだが、意外とチャレンジングな案件の時にこそ漏れがちなので注意が必要。どれかが漏れてしまうと、進行が停滞してしまう危険性がある。

マイナスの状況を打破する起死回生の一言
では、もしプロジェクトが停滞してしまったらどうすればいいのか。その状況を打破するきっかけとなるのは、「助けてください」の一言。社内に協力を求め、停滞の原因を客観的に判断し、最適な打ち手を講じる手助けをしてもらう。
動画制作に限らずあらゆるプロジェクトにおいて、困った時にこそ1人で抱え込まず、周りに「助けてください」と言うことが、何より大事なのである。

なぜ解約の危機に陥ったプロジェクトが「メガプロジェクト」と呼ばれるまでに成長したのか?

最後の発表者は、UX事業部のNさん。去年の4月から携わっているプロジェクトは、「メガプロジェクト」と呼ばれるほど規模が大きいもの。しかし、実はスタートから約1ヶ月で解約の危機に陥ってしまったと言います。そのような状況をいかにして乗り越えたのか?3つの要因を紹介してくださいました。

なお、プレゼンではNさんだけでなく、本プロジェクトに関わったメンバーも補足エピソードを披露。さらにはお客様から寄せられた「ベスプラ頑張ってください!」という応援コメントも紹介。関わった人数の多さからメガプロジェクトの一端が窺い知れるだけでなく、お客様との強固な信頼関係も感じられる発表でした。

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要因①コミュニケーションの基本に立ったアカウントセールスを実行
「社内用語ではなく、相手の言語で話す」など、Kaizenの各アウトプットが顧客満足につながるようなコミュニケーションを設計することが大切。

要因②上流から入るPMOが信頼貯金に繋がった
顧客キーマンは“言い切って決めてくれる人”を求めている。躊躇せずに課題を言い切り、考え抜いて自ら決めていく姿勢が信頼に繋がる。

要因③「Web戦略パートナーとしてのKaizen」と認識された
従来のCVR改善だけではなく、問合せ削減やフォームリニューアル要件定義といった領域も支援。デジタルマーケ/セールスの失敗の殆どは正しい順序、正しいやり方で打ち手をちゃんと打てていないから。だからこそ、ここを支援できると、顧客にとって「サイト改善屋さん」から「Web戦略パートナー」になれる。

紆余曲折を経てメガプロジェクトへと成長できた要因を3つ挙げたが、関わったメンバーがそれぞれの強みを活かしてチームプレーができたことも大きかった。

業界や業種は違えど、プロジェクトを成功に導くナレッジは共通しているもの。ぜひ今回紹介した8つのベスプラ事例を参考にしてみてください。