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コロナ禍の中、短期間でWebオープンキャンパスを開催。実践女子の広報戦略に迫る

「世界をKaizenする」をミッションに事業を展開しているKaizen Platformがお届けする「世界をKaizenしている人」に注目した本連載。

1899年創立の伝統と、時代に合わせた新しい取り組みが共存する実践女子大学/実践女子大学短期大学部(以下、実践女子)。同大学では受験生に向けた広報戦略として、在学生による情報発信やWebマーケティングを手掛けてきたが、コロナ禍の影響で受験生広報において重要度の高い春のオープンキャンパスが中止となってしまったという。そこで急遽、職員や教員、そして在学生を巻き込み、Webオープンキャンパスと題し、特設サイトをオープン。初の試みであったが、制作パートナーの企業も巻き込むことで短期間で動画やコラムといったコンテンツを揃えることに成功した。

今回は実践女子が手掛けた「Web Open Campus "Connection"」の裏側とKaizen Adとの協力、そして今後の展望について伺った。

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実践女子大学/実践女子大学短期大学部
学生総合支援センター 入学支援課

浜中 邦興 氏
川村 瑞樹 氏


「実践的な学び」を在学生のストーリーを通じて発信する

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浜中 邦興 氏(以下、敬称略):学生募集が大きなミッションです。より多くの高校生に本学の魅力を知っていただくための広報や、入学者選抜の設計、入学試験の実施などが主な業務です。一般的な企業のマーケティングとは違い、受験生広報のターゲットは主に高校生と保護者、高校の先生方が中心になっています。

川村:広報と入学試験の担当をしております。広報における主な業務として、学校の魅力をより多くの方々に共感いただくにはどうしたらよいかを考え、パンフレットやリーフレットを制作したり、外部メディアに出稿したり、あとはオープンキャンパスといったイベントの運営も行っています。

──実践女子の広報戦略について教えてください。


浜中:前提として、入学者の多くを占める18歳の人口は年々減り続けており、学校法人の経営は今とても緊張度の高いマーケットである感じています。その中で実践女子では「実践的な学び」を通じて学生が成長し、高い自己信頼を得て社会に巣立っていってほしいと考えており、その方針に基づいて広報を行っています。


川村:私たちは「実践的な学び」という強みとそこにまつわる在学生のストーリーを積極的に、発信しています。例えば、企業とのコラボレーションや社会での実践的な取り組みを積極的に行い、それがメディア等を介して社会に伝わることで、学校の魅力をより多くの方に知っていただきたいと考えています。


また、本学には受験生を応援したいという想いで集まってくれた「J-STAFF」という在学生ボランティアスタッフの組織があり、特徴的な活動を行っています。オープンキャンパスでは、トークライブというイベントを開催し、キャンパスライフの魅力や受験のアドバイスを、等身大の目線から受験生に伝えています。やはり私たちのような職員が一方的に伝えるよりも、受験生とも年齢の近い在学生が伝えたほうがリアルですし、実際に毎年かなり高評価を得ています。

受験生が求める情報を、在学生が発信する実践女子のWeb戦略

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──広報戦略におけるWeb活用についてお聞かせください。 

浜中:Webコンテンツは、「J-STAFFに代表される学生の目線を通じて、受験生に情報提供する」というコンセプトを軸に制作しており、それを公式サイトやSNSを通じて発信しています。そして、どこよりも早く、たくさんのコンテンツを提供していくことを目指しています。

川村:例えば昨年からスタートしたInstagram運用もその1つです。有志の「J-STAFF」が受験生に向けて実践女子の魅力として学部紹介やQ&Aのコンテンツを発信しています。他にも、LINEでの発信やサイトへの動画掲載といったSNS活用にも力を入れているところです。

──SNSを初めとしたWebによる情報発信を始められた背景について教えてください。


川村:アンテナが高く、情報に敏感な高校生に向けた情報発信をしっかり行おうという方針から、Webの広報に力を入れています。
実践女子だけではなく、大学の受験生広報はそれぞれの施策の独自性が強いことが特徴です。「広報誌・パンフレットを全国に配布する」「媒体に掲載してもらう」「オープンキャンパスを開催する」「出願してもらう」というのが大まかな広報施策の流れですが、各施策ごとにデータが独立しており、一連の広報施策のなかで受験生が持つ大学に対するイメージがどのように変わったのかまでは検証ができていませんでした。Webであれば、他施策より可視化もできますし、コロナ禍でも広報ができると考え、本筋の広報施策とは別に、Webによって常に受験生向けの情報が発信されている状態を作りました。

──Web活用の中で「動画」に関してはこれまでどのような施策を行ってきたのでしょうか。

浜中:正直言うと、これまで「動画」に関しては徹底してやりきれていませんでした。基本的に大学は教育業界の制作パートナーと関係が深いため、動画などで新しいコンテンツを作る場合は、その制作パートナーと協働することになります。しかし教育関連の制作を多く行っている制作会社ですと、斬新なものよりも安定感のあるクリエイティブを作ることが多く、丁寧である反面多くの予算がかかったり、スピードを欠くことがありました。

川村:一般的に大学の広報はプロダクトアウト的な発想が強いと感じています。受験生に伝えたいことが多すぎて、要素を盛り込んだ数十分という長さの大学紹介動画を作成し、HPにアップロードしその後は更新などが追いつかないという状況もあります。本当に高校生が求めている情報や視聴までの流れについては十分な検証がなされておらず、今後はマーケットインの発想が大学の広報にも必要になってくると思います。そこから、実践女子では受験生が求めてる情報を得られる動画を作りたいと考えていました。

職員だけでなく、学生が主体となって立ち上げたWebオープンキャンパス

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(https://www.jissen.ac.jp/admission_guidance/online_open_campus/index.html)

──2020年の2月頃から本格化したコロナ禍の影響と「Web Open Campus "Connection"」立ち上げについてお聞かせください。

浜中:コロナ禍の影響で、職員は在宅勤務せざるを得なくなり、授業をオンラインに移行するなどの影響があった中で、来年の受験生に向けた広報施策もオンラインで実施する必要に迫られました。そこでまず、オンラインでオープンキャンパスを体験できるサイトを制作しようとしたのですが、学内にコンテンツも制作ノウハウもあまりないというのが本音でした。

川村:オープンキャンパスは受験生に大学を肌で知ってもらい、受験の意欲を上げてもらうことがその目的です。進路選択のタイミングである春に行われるオープンキャンパスは高校生・大学の双方にとって特に重要であり、コロナ禍で中止になったことはかなりインパクトが大きいことでした。

浜中:こうした厳しい状況下でも、小回りが利く大学では3月時点でオンラインのオープンキャンパスを開催しようという動きがあり、本学でもサイトを制作することになったのです。

競合の大学よりも早くコンテンツを揃えるためにも、私たちに足りないノウハウをお持ちの企業に様々なお仕事をお願いして試行錯誤してみることになりました。そして3月末に立ち上がったサイトが「Web Open Campus "Connection"」です。

──緊急事態の中でも、なぜこうしてスピーディな施策を実施できたのでしょうか。 

浜中:実践女子が教員と職員、一丸となって動ける大学だからでしょう。大学によっては、教職協働の体制作りが難しいこともあるのですが、実践女子は新しいことに対して全学一体となって挑戦する風土があります。そのため、今回のWebオープンキャンパスもスムーズに立ち上げられました。

──「Web Open Campus "Connection"」でこだわられたポイントについてお聞かせください。

川村:動画による「1分でわかる!〇〇学科・専攻」をはじめ、在学生や職員とzoomで1対1の相談ができる「Web進学相談」や、「J-STAFF」が企画したキャンパスライフ紹介などの多彩なコンテンツが揃っています。職員だけでなく、学生主導でコラムもどんどん作ってもらったり、在学生と受験生をつないだりと、在学生視点での「実践的な学び」をオンライン上で伝えられていると思っています。

短納期、低単価、そして「人」で選んだKaizen Ad

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──Webオープンキャンパス内の動画をKaizen Adにご依頼された背景を教えてください。

浜中:前職のつながりで、Kaizen Adの短納期、低単価の動画制作サービスは知っていました。今回のWebオープンキャンパスですべての学科・専攻の説明動画を作りたかったのですが、従来の方法では時間がかかりすぎてしまいます。そこで短納期、低単価で一気に動画を制作し、その後また同じスピードで第2弾動画を制作し、改善していくことがベストであると考えました。

──他社サービスとの比較検討は行われたのでしょうか。

浜中:比較のために、他の企業にも依頼しました。比較検討というより、スピードを優先してトライアルを行なったイメージです。

──その中でKaizen Adを選ばれた理由を教えてください。

浜中:「人」でしょうか。前職のつながりでKaizen Platform代表の須藤さんのことは存じていました。アンテナが高く、いいビジネスモデルを持ってる方だと常々感じていたのです。また、本学を担当くださっている藤原さんのスピード感や動画のノウハウにも満足していましたので、ぜひ長く付き合いたいと思い、Kaizen Adを選びました。 

──動画を公開されてから、数値的な効果はどれだけありましたか?

川村:公開からまだ日が浅いこともあり、数字的なところのデータはまだ蓄積されていないのですが、「動画の視聴→専攻紹介ページ閲覧」といったHP内での遷移が増えています。これまでのテキストをメインとした学部説明では、どこが魅力のポイントなのかしっかり読み込んでいただかないと伝わりづらかったのですが、今回の先行紹介動画に対しては学内からも「わかりやすい!」という感想をいただきました。また、高校の先生からも全体的にすごく評価が高いですね。どれだけの広報的な効果があったのかは、今後検証し、改善していきたいと思います。

伝統と新しい取り組みを融合させ、「実践的な学び」を発信する

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──今後の展望についてお話をお聞かせください。

川村:施策としては、今まで取り組めていなかった施策ごとのデータ連携を進め、ナーチャリングを行なっていきたいです。また、LINEの友だち登録やSNSでの数値を分析し、アカウントを登録した高校生が求めている情報やお役立ち情報を積極的に発信していきます。将来的には、データを活用して細かくセグメントし、1対1の施策にも着手していきたいですね。

浜中:大学全体として、実践女子の強みである「実践的な学び」をどんどん昇華させ、積極的に発信していく予定です。今回のWebオープンキャンパスも含め、こうした新しい取り組みによって他の学校と差別化し、いち早く、かつ面白い取り組みを今後も続けていきたいですね。

大学は偏差値というシンプルな数字で測られがちですが、それだけでは大学間のポジションを変えていくのは本当に大変だなと。しかし今後は、リモート講義をすばやく導入したり、最新トレンドに追いついていたりと、「学生目線で考え、かつアンテナが高くて小回りが利く大学か」という評価基準が新しく生まれたと思ってます。これまでの伝統的な大学の良さを活かしつつ、企業との取り組みのような外からの風とうまく伝統を融合させながら、魅力ある大学づくりを目指しています。

──今後の展望の中で、Kaizen Adに期待することがあればお聞かせください。

浜中:大学の中で施策をすべて完結するのではなく、餅は餅屋に頼んだ方がよいなと今回改めて感じました。やはり新しい施策は信頼できるパートナーさんと一緒に進めるのが1番よいと思っています。

その中でもKaizenさんはアンテナが高く、新しい施策をどんどん吸収されています。お互いにとって、そして実践女子に通う在学生のためにも、今後もよいパートナーとして協力いただければと思います。

──ありがとうございました。

<取材・文 = 大木一真>

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