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「データと愛情、AIと人、双方が協力していく道を探る」 デジタル時代のマーケティング戦略と人材育成のポイント 後編

「世界をKaizenする」をミッションに事業を展開しているKaizen Platformがお届けする「世界をKaizenしている人」に注目した本連載。

2019年2月27日、東京・市ヶ谷にて「データ活用を軸にした戦略立案とデジタル人材育成」と題したセミナーが開催されました。当日は、企業の事業企画・マーケティング担当者など、定員を超える参加がありました。
セミナーには、デジタル先端企業と共にマーケティング活動を推進してきた株式会社ビービット株式会社Kaizen Platformとのキーマンが登壇。どのようにデジタルマーケティングを進めていくか、そのための方向性や人材育成について、具体的な企業活動やデータに基づいて語りました。

ECサイトのキャンペーン売上を3倍にした強いチームとは

前編で紹介した須藤の講演に続いて、株式会社ビービットの執行役員/エバンジェリストである宮坂祐さんが「AI時代のデジタル人材育成のポイント」について講演をしました。

まず宮坂氏が示したのは、1900年代初頭のニューヨークの写真。1900年には馬車ばかりだったニューヨークの風景が、ほんの10年ほどで自動車ばかりに変わっていたのです。

「このように、変化は突然あらわれて急激に加速します。現代もネットとスマホによるデジタル化で大きく変化しました。ビジネス・生活における体験のあらゆるタッチポイントがデジタルに包み込まれている状態になっています。そのため、モノ/売り切り型から、コト/ジャーニー型へとマーケティングモデルを変える必要があるのです」(宮坂さん)

デジタル化によるジャーニー型サービスを実現すれば、顧客の行動データも接点も膨大になる。そのため、行動データをタッチポイントの構築及びUX改善に繋げることができる「人材」と「オペレーション」が成功の鍵になると宮坂さんは強調。

具体的にどのような能力が求められるのでしょうか。

宮坂氏は「『クリエイティビティ』と『コミュニケーション』を掛け合わせたコンテンツ企画力だ」と語りました。集計データの可視化は進んでいるが、肝心のコンテンツやUXの企画力がボトルネックになって改善が回っていないのが、デジタルマーケティングの現状だと続けます。

宮坂さんが提示するこれからのデジタルマーケティング

「顧客の行動から、その状況を捉える『モーメント分析』が有効になります。ビービットが提供している分析と企画の支援ツール『USERGRAM』は、効率よく的確に、お客様の状況をつかむことを目的として開発しました」(宮坂さん)

ここで、宮坂氏は、USERGRAMのデモンストレーションを通じて、ECサイトでの購買行動を観察し、どのような状況にあるかを分析、解説してくれました。

さらに、ユーザー体験を改善して売上向上に結び付けた実例として、通販会社の特定ターゲット向けキャンペーンについて紹介。このキャンペーンでは、時期によらずお客様と接触できる切り口として、小柄な人向けの洋服特集を企画したのです。

しかし、一人ひとりの行動を見ていくと、特集のコンセプトが伝わっていないことが判明。そこで、特集での訴求やコンテンツを改善し、キャンペーン開始から3か月後にウェブ経由の売上を3倍に向上させたのです。

「ここで面白いのは、訴求メッセージの内容よりもそれを見出したプロセスです。データアナリストがデータを抽出・分析して、他のメンバーがレポートを参考にするのではなく、データアナリストや販売企画などのメンバー全員で、お客様の動きから状況を捉えるワークショップを行ったのです」(宮坂さん)

データアナリストはデータ解析のプロフェッショナル。解析されたデータから、お客様にどうやって訴求すれば良いかを考えるプロフェッショナルが販売企画、マーケティング担当であると宮坂さんは強調。一方、販売企画は数値レポートが苦手。しかし、商品に対して愛を持っている。

ワークショップはそこに着目。双方の強みを生かし、共同でプロダクト、お客様と向き合えるような体験を提供。データから人の動きを把握すれば、気付きも増え、改善アイデアが出てくる。アイデアもすぐに数値の裏付けを取ることができることを体験してもらったと宮坂さんんは続けました。

「このような顧客の状況を捉えることは、デジタルマーケティング人材の育成でも重要だと考えています。最初は、実施した施策の効果検証から。次のステップとしてデータ分析から見えた傾向や業務で発生した事象について原因を探る活動に取り組みます」(宮坂さん)

そして、顧客セグメント別に行動傾向を分析する、新規施策を企画などに取り組んでいくなど、ステップアップしていくことが重要であると宮坂さんは語りました。

このようなステップを繰り返し行えば、半年ほどで劇的にコンテンツ企画力が向上していく。多くのAI技術を搭載しているUSERGRAMでも、「コンテンツ企画力など、人間の力が必要になる面は多いんです」と宮坂さんは強調しました。

「新規採用したコンサルタントの成長スピードを見ていると、顧客観察型の調査をどれだけやっているかで違ってきます。定性リサーチを実行するのは時間もかかるしお金もかかります。データだけながめていても、なかなかユーザーの状況までは踏み込めません。USERGRAMを利用することで効率的に状況を把握することができ、見えてきたものをデジタルのタッチポイントで実験することができます。これを繰り返すことが、『人材』を育てるうえで、一番効いてくると実感しています」(宮坂さん)

優秀なサービス、ツールに加えて「人」も見ていくことがキーとなる

講演終了後、登壇者の周りには個別質問をする参加者が集まりました。Kaizen AdやUSERGRAMの具体的な機能、自社にどう活かせるのか。また、「弊社ではこういう特殊な部分があるが、同じような悩みを持つ他社、業界はありますか?」などの質問もありました。

これからのデジタルマーケティングは、より細かく、素早くが求められていく。対応するだけではなく、社内や業界を牽引する存在になるには……宮坂さん、須藤は共に「優秀なサービス、ツールに加えて、“人”も見ていくべき」と強調、ヒントを提示しました。

左:株式会社ビービット 執行役員/エバンジェリスト 宮坂 祐さん
右:株式会社 Kaizen Platform Co-founder & CEO 須藤 憲司

【講演概要】

「これからのデジタルマーケティング戦略の作り方 EC、サブスク、金融業界に学ぶデジタル戦略最前線」
登壇者:株式会社 Kaizen Platform Co-founder & CEO 須藤 憲司

クライアント企業のデジタルマーケティング戦略策定をサポートする中から見えて来た、2019年に取るべき戦略、また、EC・金融・サブスクリプションの3つのカテゴリーの最新事例から流通総額最大化・解約防止・クロスユースの成功へのキーとなるポイントを、事例をもとにお話いたします。

2003年に早稲田大学を卒業後、株式会社リクルートに入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍。その後、2013年にKaizen Platform, Inc.を米国で創業。

現在は日本、US、韓国、台湾の4拠点で事業を展開。WebサービスやモバイルのUI改善する「Kaizen Platform」、動画広告改善の「Kaizen Ad」、世界40ヶ国10000人以上のネット専門人材ネットワークからクラウド上で企業のデジタルマーケティングチームを提供する「Kaizen team for X」を提供。

「AI時代のデジタル人材育成のポイント  ~ECサイトのキャンペーン売上を3倍にした強いチームとは~」
登壇者:株式会社ビービット 執行役員/エバンジェリスト 宮坂 祐さん

ECサイトのキャンペーンで売り上げを3倍にしたチームが、どのように人材を育て、そしてチームとなったのか、また、どのように強くなったのか、実際の具体的事例を交えてご紹介いたします。

一橋大学法学部を卒業後、ビービット入社。金融、電機メーカー、メディア等の大手企業・ネット先進企業のデジタルチャネル改善に関するコンサルティングプロジェクトを多数手がけ、 クライアントの成果向上に貢献。累計1000人超のユーザ行動観察調査の経験をもとに講演や執筆活動も実施。宣伝会議サミット、Google Think 、ad:tech tokyoなど登壇多数。 金融財政事情研究会より「顧客を観よ-金融デジタルマーケティングの新標準」を出版。ビジネススクールのグロービスにて企業向け思考系講座の講師も勤める。

このセミナーが気になった方はビービットが提供するサービスも是非チェック!
顧客のモーメント分析に特化したクラウドサービス「USERGRAM」

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