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コロナ時代に改めて考える、マーケティングにおける不都合な真実

Kaizen Platform AE(アカウントエグゼクティブ)の多田です。

前回の記事でも少し触れたように、新型コロナウイルスの影響で世の中の先行きが不透明になり、マーケティング予算の縮小が始まっています。

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米国では、広告業界に超深刻なダメージがあり、4年間でfacebook、Googleの広告収益に与えるインパクトは5.5兆円とのレポートも出ています。

(参考:https://www.theinformation.com/articles/how-the-ad-slump-affects-big-and-small-tech?fbclid=IwAR1lHap7VIFq526dLCYBJkic4uV-ZbIf3xVDbHpwwfnAXh5ztCwggeAPUPc

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また、国内においてもヤフーの広告出稿に与える影響が業種別で報告されており、旅行業界や人材業界を中心に波紋が広がっています。

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(参考:Z HOLDINGS)

調査によっては、「77%の企業の売上が減少した」という報告も。

今後コロナの影響がいつまで続くか見通しが立たないなかで、マーケティング活動のリソースと予算をどのように使っていくか見直す会社も非常に増えてきています。

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(出典:マーケター600名が回答、新型コロナで売上減少も 「新たなビジネスチャンスが生まれた」30% 【MarkeZine RESEARCH】

本記事では、今後のマーケティング活動を効率化し、ウィズコロナの時代で打ち勝つためにも、マーケティングにおいて発生している「不都合な真実」と「ポートフォリオの重要性」について改めて触れていきたいと思います。

【マーケティング不都合な真実】ネットのCVはボリュームディスカウントが効かない?

私たちが何か買い物をするとき、ボリュームディスカウント※が効いて割安になっていくものです。

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※ボリュームディスカウント……一回の購入量が多ければ多いほど割安になる

スーパーでも1本売りの人参を買うより、ほとんどの場合、3本入りのものを買うほうがお得に買えます。

ところが、Webマーケティングの世界においては、逆にまとめて買おうとすると割高になってしまいます。

グラフで見てみましょう。

以下のグラフは、あるサービスのマーケティング施策の効率性を表したカーブです。横軸がコンバージョンのボリューム、縦軸がCPA(コスト)で示されています。

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見ていただくと、CV(コンバージョン)数が400件を超えたあたりからCPAが急激に上がっていることがわかると思います。

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私たちKaizen Platformは、500社を超える会社のマーケティング支援を行なっていますが、見る限りどの会社もすべて同じ構造になっており、「全体の20%のCVを増やすために、40%以上の集客予算をかけている」会社が多いことがわかりました。なぜこんなことが起こっているのか?

ビジネスを拡大しよう/獲得数(規模)を増やそうとすればするほど、獲得効率が悪い施策を打たざるを得ないから

です。

たとえば、ある会社がリスティング広告に50万円投下して、100件のCVが取れていたとします。

費用対効果が良いため、もっとボリュームを増やしたいと考えて広告予算を50万円→120万円、つまり2.4倍に増やしたとしても、残念ながらCV数は2.4倍になりません。おそらく今のターゲットからよりパイを広げることで獲得効率が下がり、1.5倍程度のCV数で落ち着くのではないかと思います。

またさらに予算を120万円→256万円に増やしても、獲得できるCV数は150→160と「10件しか増えなかった」なんてことはよく耳にする話です。

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この不都合な真実に目を向け、効率化していくためにはどうすればよいか? 今回は特に検討すべきこと3つを考えていきたいと思います。

考えるべきこと①「マーケティングポートフォリオの見直し」

まずは、現在実施している施策をすべて並べ、CVボリュームを縦軸、CPAを横軸にしてひとつの線でつないでみてください。
(実際には、キーワード別などもっと細かな粒度で分解してみてください)

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実際にマーケティングの獲得数とCPAを並べてみると、獲得効率が悪い施策ほど横長の長方形になるはず。生産性が可視化できます。

見えてきた施策のリストのうち、非効率な施策は止めることを検討しましょう。

考えるべきこと②「CVR改善への投資」

前述にあるように、集客については一定以上やりきるとどこかで限界がきてしまい、非効率な施策を打たざるを得ません。

その場合、商材のLPや申し込みページ、フォームUIの改善を通して、CVRを高めることをぜひともおすすめしたいと思います。

たとえば、入会ページの改善。

黒を基調としたスタイリッシュなデザインのもの、白を基調とした親近感のあるもの、商材を説明した動画をトップ表示させたものなどを比べてみると、同じ商材でもそれぞれCVRに差が出てきます。

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(出典:『改善のプロ』の仕事がヤバすぎた話 by キンコン西野

集客まわりの改善に着手している会社は多いものの、このようなCVR改善に向けた投資を行なっている会社はそう多くありません。CVR改善を行なうことで、現状の集客コストを維持しつつ効率的にCV数を純増させることが可能になります。

特に申し込みフォームはCVする際に必ず全員が通る動線なので、単純に20%CVRが改善できればCV数も20%増加するということに。とても有効な打ち手です。

考えるべきこと③「LTV向上への投資」

CVRの改善までやりきった場合は、LTV(顧客生涯価値)を高めて、高止まりしたCPAでも許容できる数字に持っていくことを検討すべきでしょう。

たとえば、既存ユーザーの「リピート利用促進」や「オプションの追加加入」、「購入単価向上」を行うARPU(1契約あたりの売上)を高めていく施策です。

<サイト改善事例>

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チケット購入ページにて、「検索ワード履歴」や「よく見る劇場カレンダー」、「最近見た公演詳細」などの行動履歴を表示し、公演詳細への遷移率が約112%up。チケット購入完了率も約104%upした。
(出典:もっと、ラフ&ピースを届けたい!チケットよしもと、デジタルの伸びしろ。   ーよしもと独自のレコメンドをどう構築するか

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チケット購入ページにて、購入後の予約完了ページにも「直近検索したワード」や「先行チケット販売情報」などをレコメンド。「この商品を買った人は、この商品も」と情報を加えることで、他公演への誘導、購入を促して2回目購入率が108%up。
(出典:もっと、ラフ&ピースを届けたい!チケットよしもと、デジタルの伸びしろ。   ーよしもと独自のレコメンドをどう構築するか

また、複数のサービスを提供している会社は、チームの垣根を乗り越え「別サービスへのクロスユース促進」や相互送客を行なっていくことで、ユーザー単位での会社への売上/利益貢献額を最大化する取り組みを強化することもおすすめです。

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これからのNew Normalに備え、改めてマーケティングの投資の見直しを行なっている方はぜひ参考にしていただければと思います。

Kaizen Platformではマーケティング戦略の上流設計から改善までを一気通貫でご支援しています。

本記事でご興味を持っていただけたものがあれば、ぜひ、お気軽にご相談ください!

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