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DX課題をトータルで解決するために。Kaizen Platformとハイウェルが目指す、顧客体験のさらなる向上

2022年10月20日、株式会社Kaizen Platformは株式会社ハイウェルのグループ化を発表しました。

Kaizen Platformは、デジタル上の「顧客体験」を改善し、KPIの向上を実現するソリューションの提供を通じて、あらゆる企業の事業成長のパートナーとしてセールス・マーケティング・カスタマーサービス領域のDXに取り組んでいます。

ハイウェルは、”多彩な『人財』と進化する『技術』をつなぐ”を企業理念に掲げ、人材不足の課題に直面する企業や技術支援を必要とする企業向けにSES(System Engineer Service)事業、採用支援事業、デジタルプロモーション事業を展開しています。

本件M&Aは、DX人材の確保が急務となる市場において、Kaizen Platformのグロースハッカーネットワーク、そしてハイウェルのエンジニアネットワーク及び採用支援ノウハウを組み合わせることで、DXに関する課題をトータルで解決できるパートナーとして強固なポジショニング確立を目指すのが目的です。

そこで今回、M&Aの裏側や今後の展望について、Kaizen Platform 代表の須藤憲司さんとハイウェル代表の近藤太さんにお話を伺いました。

株式会社ハイウェル代表取締役 近藤太
1999年に多摩大学を卒業後、さくら情報システムに入社後、PwCコンサルティング、ベンチャー企業とIT業界の中でも幅広いレイヤーで経験を積み2007年に株式会社ハイウェル創業。

株式会社Kaizen Platform代表取締役 須藤憲司
2003年に早稲田大学を卒業後、リクルートに入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍。その後、2013年にKaizen Platformを米国で創業。現在は日米2拠点で事業を展開。

「挑戦するほっこり集団」に感じた可能性

ーお互いの会社を知ったきっかけと、それぞれの会社に対する第一印象を教えてください。

近藤:弊社顧問から、Kaizen PlatformのCGO(Chief Growth Officer)の方を紹介されたのがきっかけですね。二人はもともと知り合いで、偶然福岡の空港で会った際、「提携パートナーを探している」という話になり、後日、私を交えて3人でカジュアルな食事会を行いました。
2022年6月頃だったんですが、その時は、「Kaizen Platform=UXを向上させるサービスをしているスマートな会社」という印象でした。Kaizenという言葉もいいなと思ってて。「現状に満足しない、自ら問題に気付く、より良い状態へ変化し続ける」といった意味合いが好きだなぁと。

株式会社ハイウェル代表取締役 近藤太さん

須藤:その後、今度は7月に近藤さんと顧問の方、僕と弊社CFO(Chief Financial Officer)の4人で食事会をしたんですよね。

実は、当時何社かSESの企業にお会いしていたんですよ。話を聞く中で、SESと一口に言っても、得意領域や企業風土は結構違うなと感じていて。

その中で、ハイウェルの印象は、単純に「すごくいい会社」だなと思いました。

株式会社Kaizen Platform代表取締役 須藤憲司

須藤:ハイウェルは「挑戦するほっこり集団」というスローガンを掲げていますが、ほっこりと言いながら、緩い感じでもなく、着実に事業を伸ばしている。そこがすごくいいなと。
それに、「何か一緒にできることがありそうだな」とイメージが湧いたんです。

実は、”すごくいい会社で、何か一緒にできそう”というのは、ディーゼロ(*)に抱いた第一印象と同じなんですよね。そういった意味でも、最初からすごく好印象でした。

*株式会社ディーゼロ。2021年7月21日にグループ化。

決め手は、Kaizen Platformの“独自性を尊重するスタンス”

ーM&Aに対する合意形成の決め手となったのは、どういった点ですか?

近藤ハイウェルが元々持つ独自性を許容してくれるスタンスを感じた点ですね。
もともとうちは個性を尊重しようというスタンスでやってきたので、もし今回の提携で一つの色、”Kaizen色”に染めるというスタンスであれば、当然それは染まらないし、思惑通りにいかなければ迷惑をかけてしまうなと。

須藤:初めてお会いした食事会で、近藤さんに「子会社に対しては、どういうスタンスなんですか?」と聞かれたのをすごく覚えてます。

近藤:子会社化された社長は、結構大変な管理をされるという話を知り合いからよく聞いていて。だからもともと子会社化するのは、ちょっと怖いなというイメージがあったんです。

ー須藤さんはどう答えたんですか?

須藤:「すいません、僕はSESのことが全くわかんないんで」って(笑)。「わかんないけど、一緒に売りに行きます。その中で、いろいろ教えてください」と伝えました。

近藤:言われましたね(笑)。

須藤:会社を1個にしようとは思ってない、という話もしましたよね。だって、お互いそもそもいい会社なんだから、変える必要はないと思ってるんですよね。

近藤:実はディーゼロの修作さん(矢野修作/株式会社ディーゼロ代表取締役)から、M&Aのリリースが出た直後にメッセージをいただいて。ちょうどその翌週に福岡に行く予定があったので、ご挨拶に伺わせていただいたんです。

その時、「実際、どうなんすかね?」みたいな話をしたんですが、「Kaizen Platformはグループ会社に対して、元々持ってる独自性を活かすスタンス」と言われて安心しましたし、ディーゼロともご一緒したいなと感じました。

重要なのは、仲間意識をいかに醸成するか

ーM&Aを伝えた際のメンバーの反応や、提携に向けて動く際のメンバーとの関わりにおいて意識していたことを教えてください。

近藤:当初、経営陣の中には「近藤さんが決めたことだから、びっくりしたけど、尊重します」という人もいれば、「なぜ、舵取りを他の会社に預けるんですか?」「会社を投げ出すんですか?」とネガティブに捉える人もいました。なので、丁寧にグループ入りする経緯、目的などを説明しながら理解を得るようにしました。

メンバーは実感が湧かない感じでキョトンとしていましたが、待遇面がどのように変化するかや雇用の安定を気にしている人もいたので、同様に説明を行うようにしました。

その後、提携に至る過程では企業価値算定やデューデリジェンス(買収監査)を短期間で行う必要があったので、対応してくれているメンバーを労うことに心を砕いてましたね。

須藤:本当に頑張らなきゃいけないのは提携後なんですよね。いろんな人に緊張がかかるので、感情面をすごく気にかけるようにしました。

人は感情の生き物なので、「この先、楽しいことが待ってますよ! だから頑張りましょう!」と言ったところで、動いてくれません。不安に思っていることを取り除くには、いち早く人間関係を築いて一緒に仕事をするのがすごく大事だなと思っています。

須藤:ハイウェルのメンバーにとって、僕はまだお客さんなんですよね。お客さんじゃなく、「中の人」だと思ってもらわないといけない。同じ船に乗る仲間だと思ってもらうことが大事です。「この人に何か相談すると、何かしら返ってくるな」と気軽にコミュニケーションがとれるようになるには、時間がかかるんですよね。

先日もオンラインでハイウェルのメンバーと顔合わせをしたんですが、多分緊張していたのか、十分に話せませんでした。でも、みんな絶対すごく考えてるし、やりたいことや聞いてみたいことがそれぞれあると思うんですよ。だからもっと膝を突き合わせて、話を聞いてみたいなと思いました。

展望

ー最後に、今後の展望を聞かせてください。ディーゼロも含めて、Kaizenグループとしてどのようなシナジーを期待していますか?

近藤:既存事業の強化をしていく上で、Kaizenグループにジョインしたことは大きいです。
Kaizenグループの強固な顧客基盤に対しハイウェルが持つSESや人材サービス、プロモーションのコンテンツサービスを提供することで、売上増、利益増に繋げたいですね。

また、グループシナジーとしては、多くの企業が課題とする採用課題、とりわけスポットの人材確保に対して、Kaizen Platformが持つUI/UXの改善ナレッジと、ディーゼロが持つWEBサイト制作、ハイウェルが持つ採用マーケティングを掛け合わせて、サービス提供範囲が拡大できることを期待しています。

須藤:僕も近藤さんと同じで、Kaizen Platformができることが増える点に期待しています。

Kaizen Platformとディーゼロはお客さんに仕事を発注してもらうアウトソーシングですが、ハイウェルは人を送りこむインソーシングです。僕らのような一物一価のサービスを売る仕事ではなく、一人ひとりの能力を顧客に提供する仕事なので、とても個別性が高いんですよね。だからそのニーズはすごくあると思うんです。

M&A発表後からは、お客さまの反応を知るためにも、打ち合わせの度に「ハイウェルと一緒に、SES事業を始めようと思ってるんです」と伝えてるんですよね。そうすると、「すぐ相談したいです!」という返答が多くて。やはりニーズがあるんだなと実感しています。

須藤:結局Kaizenグループができることが増えていったら、お客さまにとってもハッピーじゃないですか。だからシンプルに、お客さまの期待に応えるにはどうすればいいか? ニーズはどこにあるのか? ということを手触り感を持って知るために、ハイウェルと一緒に動いていきます。

それを最初に誰かにやらせるんじゃなくて、まずは自分でやる。その上で「ここは期待が上がりすぎだから調整しよう」「ここはもっとこういう提案ができる」とチューニングしながら、今まで以上にお客さまに価値提供していきたいと思っています。

すでにDXソリューションの提供ラインナップの拡大やSES事業の開始に向けて動いているので、ぜひ今後のKaizenグループに期待を寄せていただけると嬉しいです。