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【イベントレポ】Web広告のグロースハッカーと学ぶ"イマからのDX"

2020年2⽉7⽇、Kaizen Platform主催のイベント『DX Drive 2020』を開催いたしました。今回は、「公式レポーター」として、実際に参加した方の声をお届けします。第二弾は、岡部翔太さんにまとめていただきました。

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こんにちは。Web広告の会社で自社プラットフォームのグロースハッカーをしている岡部翔太と申します。

とりあえず、色々置いておいて、まずいちばんにDX Driveで学んだことで、このnoteをご覧いただいているみなさんにお伝えしたいことがあります。

それは

「もう長文なんか読まれない」

                    ※このnoteは約5000文字あります。

ということです。5Gの時代となり動画が普及することが見込まれています。1分間の動画はWEBページ3600p相当だったり、動画の情報伝達量は文字の5000倍だったりと言われています。

「じゃあなんでnote書いてるんだよ!?」というツッコミを受けそうですが、もう一つ大事なことを伝え忘れていました。それは

「全てのコンテンツが動画になるわけでは無い」

ということです。このような2つを行ったり来たりすることがDXの本質であり、そしてそれを推進する立場の人の任務であると思いました。

会社・組織・サービスの成長請負人“グロースハッカー”

DX Driveを主催したKaizen Platform社はLPや動画のクリエイターのことを「グロースハッカー」と位置づけています。Kaizen Platform社のグロースハッカーの紹介ページにはこう紹介されています。

KAIZEN PLATFORMにおけるグロースハッカーは、
クラウド上でディレクターやアナリストなどと一緒に
KAIZEN TEAMを構築してお客様のWEBサイトやUI画面を
デザインでグロースさせる役割を担います。

因みにこれを書いている自分自身もBtoB向けの広告プラットフォームのグロースハッカーとして働いています。「グロースハック」だったり「グロースハッカー」というワード、ここ最近聞くようにはなったけど、周りにはいないし、結局何をやってるのかが分からない、という人が多いと思います。参考までに自分の考えているグロースハッカーの定義はこうです。

Biz(事業)/Dev(開発)両方の視点を持って
「会社」「組織」「サービス」の成長を加速させる

特に自分の場合、BtoB向けの広告プラットフォームのグロースハッカーということもあり、社内のエンジニアはもちろん、マーケティングチームや営業チームに携わる部分が多いため、サービスのみならず会社や組織といったところにまで目を向ける必要があると考えています。

最初Kaizen Platform社の定義するグロースハッカーの役割を見た時は、LPや動画の制作といった「サービス」に近いグロースハックに重きを置いているのかなと感じました。

しかし今回のDX Driveというイベントを通して分かったのは、Kaizen Platform社は、サービスのグロースハックを通して、会社や組織までグロースハックしていくことを見通しているのだと感じました。

成長の加速に欠かせないDX

「ITの浸透により、人々の生活が根底から変化し、よりよくなっていく」

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉は2004年に初めてこのような意味で使われました。

近年はインターネットに近い業界を中心に、ビジネス文脈でDXという言葉を耳にする機会が多く、今回のDX Driveも主に企業主体のDXが語られていたと思いました。

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出典:DX Drive2020 ダウンロード資料

この画像にもある通り、DXはデータとデジタル技術を駆使して、製品やサービス更にはビジネスモデルをも変革するとともに、業務・組織・プロセス・企業文化・風土も変革するとあります。

つまり、グロースハッカーの役割である、Biz/Dev両方の視点を持って「会社」「組織」「サービス」の成長を加速させるためにDXは必要不可欠なのです。

5G時代のスタンダード

我々が最も身近にDXを体感できる例は「動画へのシフト」だと思います。

このnoteの最初の方でも申し上げたとおり、このご時世長文はなかなか読まれません。

例えば写真も図も何も無い文字ばかりのWEBページは読む気にもなりませんよね。

画像1枚読み込むのに数分かかった昔であれば、図や写真があることで読み込み速度の低下に繋がりますが、今の通信速度であれば普通は一瞬で読み込むことが出来ます。

そして5G時代に突入すると、動画を一瞬で読み込むことができるようになると言われています。

現在WEBページは画像があるのが至極当然であるかの如く、5G時代では、Webページに動画がある状態がスタンダードとなっていると予想します。(これが冒頭2つ目、全てのコンテンツが動画になるわけではない、ということです)

DX Driveでは、dodaの求人原稿を動画化することで、原稿応募数が34%アップしたという事例が紹介されていました。

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特にこれからの社会の中心となる、動画に慣れ親しんだ若い世代に効率よく訴求できているようです。

こちらも見ていただければ分かりますが、ページ内に作成した動画を埋め込んで活用しています。

インタラクションで"デジタル"を最大限活用する

ここで突然ですが、問題です。

2018年Instagramのストーリーで最も使われたスタンプは次の3つのうちどれでしょう?

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1.ハートスタンプ
2.質問スタンプ
3.ロケーションスタンプ

答えはこちら↓

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正解は「2.質問スタンプ」です。
(※画像は当日のスライドを再現したものです)

Instagramでは動画を表現するだけではなく、ユーザとのインタラクションを生み出す機能があります。このようなインタラクション性がある方がユーザに好まれやすい傾向にあり(何かしら行動を起こしたということでユーザ接点が増えるため)、更にマーケティング的にも利用することができます。

動画化するだけじゃない、まさにデジタルで変革を起こすDXがSNSで起きていました。

DXは組織のグロースハック、カギはデジタルとアナログを共存させること

DX DriveのKeynoteで経済産業省のDXレポートDX推進ガイドラインが公開されていることを知りました。それらによると、DXに遅れを取ると2025年以降最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性がある(2025年の崖)と警鐘を鳴らしています。

逆にDXを実現することで2030年に実質GDP130兆円超の押上げが期待できるとも言われています。

今回DX Driveでスピーカーとして登壇された方々は皆さんDXの成功事例がある方々ですが、そのような方々がDXを推進し成果を出すためには、結局人と人との繋がりが大切、と口を揃えていっていたのがとても印象深く残っています。

つまり、「DX=組織のグロースハック」なのです。

まずDXがそもそも推進されない理由の一つに「レガシーシステムを作り込んだが故、それにすがっている」というのが挙げられます。レガシーシステムを維持するためだけの人材育成が必要になる等、すでに我々が認識しているだけでも無駄なコストがかかります。

レガシーシステムは手塩にかけて作り込まれたものが多く、その時の成功体験が強く残っているからこそ、特に保守的な人がそれにすがりたくなるため、DXを推進したがらないことがあります。

まずはDXを推進するためにはこの壁を突破しなければなりません。もちろんそのような人たちが絶対悪ではありません。むしろ今まで会社・組織・サービスを支えてきたのは、その人たちである可能性が高いです。「そういう人たちにはこう言えば良い!」という魔法の言葉はありませんが、smallPDCAを回して成功体験のパラダイムを少しずつ変えたり、逆にその人たちの成功体験に則った要素を組み込んだりしてDXを推進していく必要があるとは思います。

先程紹介したdodaの例だと、動画訴求ができるプロダクトを商品企画が作ったのにも関わらず、これまでの商品を売るのに最適化されていた営業側があまり売ってきてくれないということがあったそうです。そこでどうしたかというと、営業のフロアにポスターを貼るというまったくデジタルではないアナログな手法をとりました。

結果その作戦は成功、営業側の価値観も考慮した戦略を取り、求人原稿のDXを成功させることができました。

DXは会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ

DXで継続的に成果を出すためには現場発信で考えることが大切です。「○○したいから情シスさん・エンジニアさん考えといて〜」ではなく、実際にDXの恩恵を作る現場でどういうものがあれば必要か考え続けることがDXの成功には不可欠です。

現場で考えることによって、DXを活用している間にも改善案が生まれたり、逆にそこまで機能なくてもこれで十分ということが分かったりします。

DX成功のカギは、DXを脅威と捉えるか機会と捉えるかにかかっていると思います。

今までそんなことしてきてなかったから難しいと思うかも知れません。DXをしたからと言って、すぐに結果が出るということも無いでしょう。

それでもまずはサービスからDXをしていく。そしてそのサービスに関わる人を巻き込めば、自ずと組織・会社がDXへと進んでいくと思います。

まさに会社・組織・サービスを成長させるための方法の一つがDXなのです。

Q&AのAを考えるのではなく、Qを変えてしまう

そしてDX Driveの最後には、Kaizen Platform社の須藤CEOと幻冬舎の箕輪厚介氏が「ハック思考」についてセッションをしました。

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DXを成功させるため、あるいは会社・組織・サービスをグロースハックするために必要な考え方が「ハック思考」です。

このセッションを通してグロースハックに必要なハック思考とは、Q&AのAを考えることではなくQを疑いQを変えること、だと感じました。

因みにハック思考の詳細については著者の須藤さんが、こんなnoteを書いています。

ここで触れている「エレベーターの待ち時間が長い」という事象に関して、普通なら「エレベーターを増やす」「エレベーターを高性能なものにする」といったQ&AのAを考えるのがハック思考ではない考え方です。

一方でハック思考では、

「本当にエレベーターの待ち時間が長いのが問題なの?」という感じでQを疑い

「エレベーターの待ってる時間が暇なのがボトルネック」という問題そのものを特定して

「エレベーターホールで待ち時間として認識している時間を減らすためにどうしたら良いか」というようにQを変えます。

そしてこのようなハック思考は、中にいる人ではなく外にいる人の方が気づきやすいです。先程の例でも恐らくエレベーター施工関連の会社にいる人は、Qを変えることは出来ないでしょう。逆に実際に毎日エレベーターを使う人(=現場にいる人)がハック思考で考えられます。

これからのグロースハッカーに必要な考え方がまさに「ハック思考」です。Biz/Dev両方の視点を持って「会社」「組織」「サービス」の成長を加速させるためには、多能工的な働き方をしているグロースハッカーが外にいる人の視点から、会社の仕組み・組織の仕組み・サービスの仕組み、それぞれの仕組みのスキマに介入して、多能工的に様々な考え・文化・機能を行ったり来たりして、Qを疑いQを変えることが大切だと思いました。

これからのDXに可能性を感じている人たちへ

「でじたるとらんすふぉーめーしょん」だったり「ぐろーすはっかー」だったり、なんだか意識高い人が使うカタカナ言葉いっぱいで、良いこと言ってるんだけろうけど半分自分には関係ないしよくわかんないんだよな〜と思ったあなた。大正解です。

「インターネット」という概念が世の中に登場したのが1982年、今から38年前。読者層が分からないですが、少なくとも僕の会社の社員の8割くらいは生まれてないです。

DXもグロースハッカーもまだ登場したばかりの言葉です。だからこそ、定義したもん勝ち、使ったもん勝ち。

自分の周りで起こる「デジタルトランスフォーメーション」や「グロースハック」の定義は一番最初に巻き起こした人が基準となるのです。このnoteを読んでいただいた方が、小さいことでもいいから、周りを見て、ハック思考を使って、何か変革の一歩を起こしてもらえたらいいなと思ってます!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

<文・写真:岡部翔太さん>

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