【インターネットの普及状況】「インターネット・トレンド」2019年版 解説
みなさんこんにちは! Kaizenで学生インターンをしているDaikiです。
先月、インターネットの現状を網羅的に紹介したレポート「Internet Trends 2019」が公開されました。
例年どおり、最新の数字とともにインターネットの今後を予想しており、インターネット事業に関わる経営層が押さえておくべき数字がてんこ盛りの内容です。
しかし! 今年はまだわたしが調べる限りほとんどレポートが上がっていません。
スライドベースなので英語で書かれた原本でも読みやすいですが、リアリティのある市場感覚をもつきっかけになればと。
全11章・スライド数、全334ページを解説していこうと思います。
1) Users (今回の記事)
2) E-Commerce + Advertising
3) Usage...
4) Freemium Business Models
5) Data Growth
6) ...Usage
7) Work
8) Education
9) Immigration + USA Inc.
10) Healthcare
11) China (Provided by Hillhouse Capital)
今回はその1章、「Users (of Internet)」をまとめていきます。
1) Internet Users
○世界のインターネットの成長
Y/Y Growth(前年比収益増加率)を見ると、7%→6%。つまり、昨年より1%世界のインターネット利用者数の増加率は減少していることがわかります。
規模が大きくなってきたので増加率そのものは1%落ちているものの、グラフを見ると真っ直ぐに伸び続けており、今年には40億人を突破するものと思われます。
○世界の新規スマートフォン出荷台数
スマートフォンの出荷台数はついに前年比4%減少。
すでに前年を割れ始めたというのは、大きなトレンドの予兆が見えます。
○世界のインターネット利用者数
世界のインターネット利用者数は3.8B(38億人)。世界人口の半分を超えました。
逆にいうとまだ半分もあるということです。
○世界のインターネット利用者数(地域別)
世界で最もインターネット利用者が多い地域は「アジア太平洋地域」。全体の53%を占めています。
しかし、「アジア太平洋地域」を紐解いてみると、インターネット占有率は48%であり、まだ52%もの開拓余地があるようです。
一方、ヨーロッパ、北アメリカのインターネット占有率は80%前後。これからの成長余地は、アジアとアフリカが大半を占めていると言っても過言ではありません。
○世界のインターネット利用者数(国別)
国別でみると、インターネット利用者数は中国21%、インド12%、アメリカ8%。先ほどの地域別データと合わせて考えると、インターネット非利用者数の大半が中国とインドであることがわかります。
人口の規模の差はここまで大きな差になってきます。
○世界のインターネット企業時価総額トップ30
「世界のインターネット企業時価総額ランキング」では、アメリカが18社、中国が7社ランクイン。
トップは、マイクロソフトに続いてGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple )が並んでいます。GAFAよりマイクロソフトのほうが時価総額が大きいってご存知でしたか?
Market Cap Value(時価総額)を見ると、2016〜2019年の成長がよくわかります。日本では、リクルートHDが14位にランクイン。
個人的には、2016〜2019年にかけて500%以上の時価総額の伸びを見せている、
・Rank21:Shopify
・Rank24:Atlassian
・Rank27:Square
がとくに気になります!
・Atlassian(アトラシアン) は、オーストラリアのシドニーに本社を置くB2Bソフトウェア企業
・Shopify は、世界で80万店舗以上に選ばれているカナダ発のECプラットフォーム
・Square は2009年創業の電子決済を扱うアメリカ企業
同社のサービスを通じてビットコインの売買が試験的に開始されたことや、足元の業績改善が追い風になり、時価総額の伸びに貢献したと考えられています。(参考:Quick money world 「いま注目の米国株、スクエアとは? スマホ決済で成長 ビットコインにも参入か」)また、近年の電子決済普及の動きも関係していると考察します。
○世界の企業時価総額トップ30
「世界の企業時価総額ランキング」では、米国企業が23社、テクノロジーの分野の企業は9社ランクイン。
○世界のインターネット企業トップ30の収益成長率
世界のインターネット企業の収益成長率は13%→11%で、若干減少しています。
○世界の企業時価総額トップ30の収益成長率
世界の企業時価総額トップ30の収益成長率は7%→2%に減少しています。
先ほどの「世界のインターネット企業の収益成長率」データと合わせてみると、若干の減少がありながらもまだインターネット企業の収益成長率のほうが伸びがあるようです。
第1章「Users」のまとめ
インターネットは世界人口の約半分(51%)に普及し、スマートフォンの出荷台数はついに減少、飽和状態になりました(収益ベースでは4%減少し、マイナス転換)。
インターネット市場全体の成長が前年比13%→11%と若干鈍化しているのは、そのせいなのかなと思います(私感ですが)。
次回は E-Commerce + Advertising の章を解説します!
原本はこちらからご覧になれます。→「Internet Trends 2019」