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3年目までの波「当時は『銀河系集団』と呼ばれていた」。Kaizen Platform共同創業者2名が語る『創業ヒストリー』【後編】

2020年12月22日、東証マザーズ市場に上場を迎えたKaizen Platform。そんな今、Kaizen Platformの最初の一歩を知っている立ち上げメンバーが思うこととは?



Kaizen Platformの共同創業者であり、CCO(Chief Culture Officer)の石橋利真さん、CGO(Chief Growth Officer)の栄井トニー 徹さんの2名に対談形式でインタビューしました。
前編未読の方はぜひこちらからお読みください。


前編に引き続き、こちらではトーク後編の様子をお届けします。



2013〜14年、「銀河系集団」マネジメント問題

――改めて、上場に至るまではたくさんの苦労があったのではないでしょうか?

栄井 そうですね。2013年から14年の立ち上げ当初は、30代後半から40代前半の大手企業出身のメンバーがたくさん入社したんですよ。みなさんそれぞれ第一線で経験を積んできていたのですが...…。



石橋 個が立っていて何でも自分1人でできる分、全員バラバラに動いている印象だった。



栄井 確かにね、巨人軍の4番バッターがいっぱいいた感じ。

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CCO(Chief Culture Officer)石橋利真

石橋 優秀な人材でも、Kaizen Platformのカルチャーに合うか合わないかは別問題だったんだよね。外からは「○○出身で活躍した人材ばかりが揃う、銀河系集団!」なんて言われたこともあるけど、内部の人間としては「なかなか上手くいかないもんだな」と葛藤していた。

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CGO(Chief Growth Officer)栄井トニー 徹



栄井 当時は「グローバル企業進出を目指して、マネジメントが不要な人材を輩出していく」って方針から、スキルを最重視して採用していたよね。チームワークとか、(人材同士の)組み合わせが超重要だったのは俺も気づいてなかった。決してメンバーが悪いわけでなく、経営が未熟だった。

2014〜15年、アメリカで現地チーム発足。2016年は既存事業が傾く中、新規事業をスタート

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栄井 2014年から15年にかけては、アメリカの一等地に3階建てのオフィスを借りて、30人ほどの現地チームをつくったんです。ですが、2016年に経営危機に陥って。メンバーとの話し合いの中で出てきたのが新規事業を始めるという結論でした。



会社が潰れかけている大変な時期でありながら、新規事業にも目を向けるというのは会社としての大きな意思決定だったし、スドケンもよくあの精神状態の中で決断したなと感謝しています。2016年は、ひとつのターニングポイントだったと思いますね。

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石橋  「俺らが世界をつくる」という意気揚々とした状態が3年で終わることを指す「スタートアップマジック」という言葉があって。たまたまなのか何なのか分からないけど、確かに2016年はそう受け取れる感じだったね。経営危機もあったし、みんなのマジックが切れたともとれるし。人もどんどん辞めていった。



――その危機をどうやって乗り切ったのでしょうか?




石橋 メンバーが打席に立って、仕事を受注し続けてきてくれたからではないでしょうか。そして開発側は、(受注してきてくれた仕事を)死ぬ気で返す。その繰り返しでしたね。

栄井 立ち上げから携わってくれたメンバーも含め、人が離れるのはショックでしたよ。でも、お客さんの期待値は変わらないし、むしろ期待値を上げる動きを止めなかった。打席に立ち続けるしかなかったですね。

石橋 当時、重荷を背負っていたメンバーも今では辞めてしまって。今回の上場に関しても「あの大変な時期に、共に頑張ってくれて本当にありがとう」って彼らには心から伝えたいです。

「Kaizen Platformとしてはどうなのか?」を追求する

――Kaizen Platformとして、これからやっていきたいことを教えてください。

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石橋 会社設立から今までずっと、「サービスの価値って何だろう?」と模索しながら、つくり続けています。これから新たに別の何かをやっていきたいってイメージはあんまりなくて。先を見ようとしてもわからないから、どこかに繋がっていると信じて、少しずつ進んでいきます。

栄井 僕は、Kaizen Platformを既に世の中にある「普通の」企業にはしたくないと思っています。Kaizen Platformの事業や想いに共感してもらったうえで、何か一緒にできるなら、複数の会社を掛け持ちしていたっていい。



僕ら自身がそんな組織や環境をつくっていければ、働き方の「こうあるべき」が少し変わって、人生がもっと豊かになるんじゃないかって。
 
石橋 雇用形態問わず、一緒にやっていけるような事業体や組織をつくっていけたらいいよね。



栄井 今後大きな会社になればなるほど難しいと思いつつも、そのチャレンジは残していかないと、「21世紀のなめらかな働き方の創出」を掲げている意味がないので。僕自身も自由にやっていますしね。
 
石橋 世の中に溢れる「これが正しい」という話は一旦疑っていきたいですね。

栄井 「一般的にはこう言われているけど、Kaizen Platformとしてはどうなのか」を常に考えていきたいです。組織としてのルールをつくっていかなければならない立場なんでしょうけど、Kaizen Platformならではのエッセンスを大事にしたいですよね。


[前編はこちらから]

<取材・文= ふつかよいのタカハッピー、撮影=高澤梨緒、編集=Kaizen Platform公式note>