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データ連携でARは「コンテキスト志向」へ。リアルとデジタルを行き来する時代の、新たな顧客体験の作り方とは

現実世界にデジタル情報を重ねて表現することから「拡張現実」とも呼ばれる“AR”。

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このARをビジネスの現場でも活かすべく、2019年9月19日、Kaizen Platformはパートナー企業と共にAR技術を研究するクリエイティブスタジオ「MESON」と共催セミナーを開催しました。

MESONは世界の優れたARプロダクトに贈られる「Auggie Awards」の2019年度で、ソフトウェア開発勢としては日本から初めてファイナリストに選出された経歴を持つなど活躍しています。

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セミナーでは、MESONでCOOを務める小林佑樹さんをお招きし、AR技術のトレンドや活用すべき理由などの解説に加え、参加者によるワークショップも開講。そこから生まれたアイデアをレビューしたうえで、Kaizen Platformの横堀将史を交えた対談が行われました。

対談のテーマは『リアルとデジタルを行き来する時代の、新たな顧客体験の作り方』です。

今後求められる「体験のリッチ化」にARを

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ARはいま、「iPhoneの次に来たるビジネスチャンス」とも目され、世界的企業の“GAFAM”(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)も積極的に投資し、覇権を争っているともささやかれます。IT専門調査会社のIDC Japanによれば、AR市場は今後大きく成長し、10兆円を超える試算もあるといいます。

Kaizen Platformも、その流れの中でARに着目しました。インターネットに強い1万人の人材をクラウドベースで確保し、企業のデジタルトランスフォーメーションを推進する過程で、今後を占うキーワードとして浮かび上がったのが「体験のリッチ化」です。

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そのリッチ化にARは欠かせないと考えたことが、MESONとの共催セミナーにつながりました。そして、MESONも「AR時代のユースケースとUX(ユーザー体験)をつくる会社」をビジョンに掲げています。両社の狙いは、まさにUXという接点でもつながっていたのです。

そして、MESONとKaizen Platformは「お互いを補完し合うような関係性にある」と横堀は話します。それでは以下、対談を抜粋でまとめていきましょう。

「デジタルだけ」「リアルだけ」の施策はうまくいかない

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横堀 新たな顧客体験の作り方を考えるうえで、今後は「デジタルだけ」「リアルだけ」という施策がうまくいかないでしょう。両方を横断するような顧客体験の創出が大事ですね。

小林 いままではデジタルの環境なら、テキストや動画といった手段に頼ってきましたよね。それがARの開発に携わってみると、デジタル情報との接し方の「不自然さ」に気づくようになりました。Webサイトなどを通じて一方的に与えられる情報に対して、僕らはただ受け止めるだけで、能動的にリアクションもできない。今後はARを用いながら、人間と対話しているかのごとく自然なインタラクションが実現できたらいいと思います。

横堀 一方で、これまでのARも、コンテンツとしての楽しさだけに特化していました。

小林 従来のARは「AR単体の体験」で留まっていたのも課題です。データ取得にしても、AR内部の行動データだけで完結してしまっていたんです。

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横堀 リアルとデジタルそれぞれにある接点を、いかに融合し、活用していくかが大事ですよね。そこでは、Kaizen Platformが取り組んでいる「パーソナライズ」なども掛け合わさって、より情報としても進化していけるはず。ARと、その他の顧客接点のデータ連携を行うことで、全体の顧客体験を改善していく。言わば、コンテンツ志向のARから「コンテキスト志向のAR」が増えていくんです。

リアルとデジタルのデータで相互補完し、よりパーソナライズを強化

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小林 たとえば、Webやアプリだけでは取り切れなかった、リアル空間での顧客の動向といったデータが取れるようになるといいですよね。あるいはWebやアプリの動向データは、ARで表示する情報を選定するためにも活かせるはず。

将来的にARであれば、駅やスーパーといったリアル空間でも、利用者ごとに最も欲しい情報を表示させられます。

横堀 駅ならそれぞれ乗客の行き先にあった案内がされたり、スーパーなら購買データをもとにしたお得な情報が表示されたりとか。

小林 MESONとしても今後もっと取り組んでいきたい領域です。ただ、そのためにはARのデータをもっとパーソナライズしなくてはなりません。だからこそ、今回その第一歩としてKaizen Platformさんとのセミナー開催を決めたんです。

横堀 そうですね。Kaizen Platformは、Webやアプリで取れる情報をもとにしたパーソナライズ施策などを手掛けてきましたから。

僕らも今後は、MESONさんが取得したリアル空間での行動データを、AR空間でのパーソナライズ体験に変えていくための顧客データとして渡す、という取り組みにしていきたい。その点でも、相互に補完できる状態ではないかと考えています。

ARサービス開発の知見が、自社に貯まるプログラム

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小林 僕らがパートナー企業とARサービスをつくるときに重要視しているのは、プロダクトを「つくって終わり」にしないことです。サービス開発のプロセスをオープンにし、「どういった思考プロセスでARサービスをつくったのか」「どのような技術選定や設計を元に開発をしたのか」まで、すべてを開示します。

また、今日のようなワークショップやアイデアブレストも、パートナー企業のみなさんと共に行っています。その場に参加することで、体感的にARサービス開発のプロセスを学んでもらえると考えているからです。

すると、今後来ると僕らが睨んでいる「ARスタンダード時代」において必要になるARサービス開発の知見を、パートナー企業の社内でしっかり貯められるはずです。

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セミナーの後半に行われたワークショップの様子

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自社の顧客や顧客体験の中で減らしたいもの、増やしたいものについて書き出し、課題を抽出。これをもとにARサービスを考えていく

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参加者同士で意見交換

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不動産や地方農産品、ブライダルにまつわるものまで、さまざまなARサービスのアイデア出しが行われた

横堀 それが僕らとARサービス開発を進めることの大きなメリットですね。コンテキスト志向のARを、顧客体験として開発してくれるパートナー企業と出会えたら嬉しいです。

小林 今回のワークショップは1時間あまりのミニマムな形でしたが、もっと長丁場のものだったり、別の手法も用意できます。たとえば、2040年の未来を想像してから、バックキャスティングという手法を用いて実際にサービス開発をするなどしています。

「コンテキスト志向のAR」の実現に少しでも興味が湧いた方は、ぜひご連絡ください!

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