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サイトリニューアルをする前に立ち止まって考えたい3つの論点

Kaizen Platform AE(アカウントエグゼクティブ)の多田です。

「デジタルフォーメーションの専門家チーム」と謳っている以上、仕事柄、クライアント企業のCVR(目的達成率)を高めたり、顧客体験を高めてLTV(顧客生涯価値)を向上させたいとご相談をもらうことが非常に多いです。

なかでも、改善に向けたの手段としてよくとられるのが、サイトリニューアルです。

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実際に、一昔前であれば、つくりが良いとは言えない、“改善の余地がある”サイトがたくさんありました。そういった脆い老築化した一軒家を新築につくり変える(サイトリニューアルする)ことで、パフォーマンスを高めることができました。

しかし時代が進み、WebサイトのUIレベルは底上げしてきており、昨今、抜本的な改修を求められるほど「イケていないWebサイト」はあまり見かけなくなっています。

一方で、漠然とリニューアルを通してサイトのパフォーマンスを「劇的に」上げたいと考えている企業はいまだ多く存在します。

目的や戦略がはっきりしていれば否定はしないのですが、いま全面的なリニューアルを検討している場合は、改めていくつかのポイントについて考えてから進めたほうがいいかもしれません。

今回はその3つの論点について共有したいと思います。

論点①サイトリニューアルにかかるコストが非常に高い

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ある程度予測できることかもしれませんが、リニューアルプロジェクトは、安くありません。

Webサイトの分析/戦略策定を行なったうえで、本気でリニューアルを実施しようとすると、サイトによっては数千万円〜億単位の費用がかかってしまうこともあります。

緊急事態宣言が解除されたといっても、まだまだ先行きの見えないのが現状。そんななかで高いコストをかけてリニューアルをすすめるより、まずは事業の足場を固めていくこと、売上を守っていくことに費用を充てたほうが良いと思っています。

論点②プロジェクトマネジメントの難易度が高い

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サイトリニューアルはマーケティング部門だけで完結するものではありません。

サイト全体を管轄する「広報/経営企画部門」、システム管理する「IT部門」外部委託する「ベンダー」など、さまざまな関係者を巻き込み、「要件」を定め、「社内の合意」をとり、「検証」し、また「要件」を定めて「合意」をとって……

と、こんな風にすすめていく場合がほとんどなので、プロジェクトの期間が3ヶ月〜長ければ1年以上かかるケースもあります。大事な社内外のさまざまな部門のリソースを長期で費消することになってしまいます。

さらに今回のコロナ禍のように、強制的にリモート環境下での業務をすすめることが求められれば、マネジメントはより難航し、リニューアルを成功させる難易度は上がります。

プロジェクトが想定より長期化 + 対面より工数が多く発生してしまう可能性も高いため、避けたほうが良いと考えています。

論点③苦労してリニューアルしても、成果が上がるサイトは「ごく一部」です

冒頭でお話したように、近年一般的なUIレベルは向上し、大がかりな改修が必要なサイトはあまり見かけなくなりました。

お金と時間をかけてリニューアルしても、CVRが高まったりCV数が上がったり、望んでいた成果を得られる会社は本当にごくわずかです。

正直にお話しすると、実際にKaizen Platformが支援している会社でも、サイトリニューアルを実施することでCV数が前年比割れしている会社が出始めています。

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これまで弊社と一緒に小さなサイト改善を繰り返してCV数を積み上げていたところでしたが、「さらにCV数を増やそう!」と思い切って敢行したサイトリニューアルによって減少してしまいました。(先ほど述べたようにサイトリニューアルは社内外のさまざま部門の意思決定によって動いているため、我々だけで一度決まった判断を変えることはとても難しいことなのです……)

ではどうすればいいか?

そうは言っても、集客予算が削れているなか、サイトのパフォーマンスを高めていきたいと考えている会社は多いと思います。

「どうしてもサイトを見直したい!」という会社には、「投資サイズを小さくし、短いサイクルでおこなえる小さな改善を繰り返す」アプローチをおすすめしています。

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(成果が出るかわからないものに)大規模な投資をして一発逆転ホームラン!

ではなく、ユーザーの反応を見ながらクイックに改善サイクルを回すことで、リスクも少なく、また短期間の成果に繋げられるのではないかと思います。社内合意も格段にとりやすいです。

小さな改善アプローチとは、具体的にはどんなものがあるかというと、たとえば、こんな風に大量の項目がある申し込みフォームを「ステップ化」することで、ユーザーの申し込みへのハードルを下げたり、

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何度もスクロールが必要な長いサイトのトップ画面に「動画」を配置して、訴求内容が一目で伝わるようにしたり、

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(くわしくはこちらの記事をどうぞ:「ローン申し込みに必要不可欠な“大量”の入力フォームをいかにストレスなく入力してもらうか? ネット銀行ならではの悩みを解決したカイゼン施策」

同世代のユーザーの声を見積もり時に表示する「口コミ機能」をつけることで、申し込みへの不安を解消するなど、

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(くわしくはこちらの記事をどうぞ:「Kaizen TEAMを活用して開発期間が1〜2ヶ月に!?「安全」「スピーディ」にサイト改修を実現した「セゾン自動車火災保険」のサイト施策を聞く」

こういった小さな改善で、成果を出すことができます。購入率が104%UPした、入会率が約8〜10%向上したといった例もあります。

新型コロナウィルスの収束に合わせ、小さな改善プロセスで得られた知見と分析結果をもとに、長期的な大規模改修に移っていく。そうすれば極力無駄なく成果の高いサイトが出来上がるのではないでしょうか。ぜひ、ご検討ください。

次回は、「コロナ時代のマーケティング」をテーマにnoteを書きたいと思います。それでは!

Kaizen Platformは、みなさまのチームの一員として、サイトの課題を見つけ改善していきます。サイトリニューアルに関するご相談は、お気軽にどうぞ!

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