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【フリーミアムモデル】「インターネット・トレンド」2019年版 解説

みなさんこんにちは! Kaizenで学生インターンをしているDaikiです。

今年6月、インターネットの現状を網羅的に紹介したレポート「Internet Trends 2019」が公開されました。

例年どおり、最新の数字とともにインターネットの今後を予想しており、インターネット事業に関わる経営層が押さえておくべき数字がてんこ盛りのこちらのレポート。

これまで第1章2章3章と解説してきましたが、今回は4章「 Freemium Business Models」についてまとめていきます。

(部分的に読んでも拾えるようになっているので、他の章をお読みでない方もぜひご覧ください)

1) Users
2) E-Commerce + Advertising
3) Usage...
4) Freemium Business Models (今回の記事)
5) Data Growth
6) ...Usage
7) Work
8) Education
9) Immigration + USA Inc.
10) Healthcare
11) China (Provided by Hillhouse Capital)

イントロダクション

○「フリーミアム事業」とは?

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「フリーミアム事業」とは、無料で高いUXをもたらすサービスを提供し、一部のユーザーを有料ユーザーにして収益化するビジネスモデルです。

無料公開することで大量のユーザーを確保し、エンゲージメントやシェア数を高めて構築したネットワーク効果によって、有料ユーザーを作り出しています。

○フリーミアムモデルの進化はゲーム市場→ toB市場→ toC市場中心の流れを追ってきました

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toB市場→ toC市場の流れは想像できますが、最初はゲーム市場が発端になったようです。

フリーミアムモデル ゲーム市場

○Freemium Gaming(2001)=「Runescape」の事例

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2001年に「Runescape」というゲーム会社が立ち上がりました。

このRunescapeというゲームの立ち上げ当初は、無料で運営し、広告費用等も趣味の一貫で作成者が払っていたようです。しかし、ドットコムバブルが崩壊(2000年)し始めたとき、広告費用が枯渇し、ゲームのサーバーにお金を払う方法がなくなりました。

この出来事がフリーミアム型の有料会員を生み出すきっかけになります。

これまでファンを獲得していたからこそ有料会員を作ることができ、その収益によりサービスへの再投資が可能になりました。

また、総ユーザー数の約10%しか課金をしていないのは少ないように思えますが、元々のユーザー数がかなり多いからこそ成り立つというのがこのフリーミアムモデルの肝になります。

○Freemium Gaming (2017) = 「Epic Fortnite」の事例

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一人でゲームプレイを行うという枠を超え、ボイスチャット等でチームとコミュニケーションをとるシステムを築いたゲームです。有料会員数は1年間で15倍に増加しています。

○Freemium Gamingの成功した共通点3つ =「社会的関わりがあり、モバイルで利用でき、一時的であること」

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「メイプルストーリー」で有名なNexonやメルカリの山田進太郎さんが事業を売却した先のZyngaなどが例に上がっています。

共通点を紐解くと、Freemium Gamingが成功した理由は以下のように言えると考えています。

・社会的関わりがある:オンラインで世界中と繋がれること、チャット機能があること
・モバイルで利用ができる:スマホ対応であること
・一時的であること:ヒットするゲームを継続的に出すこと

ゲーム市場で、無料で高いUXを提供し大量のユーザーを確保した後、課金アイテムなどの購入を促し、収益化させるモデルが確立されたことが、フリーミアムの発端になったと言えます。

次に、toB市場を見ていきます。

フリーミアムモデル toB市場

○Freemium Enterprise(2006)= 「Google G Suite」の事例

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みなさんが利用しているように、Googleで成功したサービスの多くは無料で、使いやすいUXです。現在、世界で何十億ものユーザーに愛され、そのほとんどが無料で使用していますが、2019年現在、有料ユーザーは約500万人に昇ります。

○Freemium Enterprise(2013)=「zoom」の事例

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zoomの有料ユーザーの伸びも、無料版の良いUXによってもたらされています。

使用開始から有料ユーザーになるまでの流れは以下の通りです。

同僚などからzoomを利用したビデオ会議に招待され、zoomアカウントを開設 → zoomの便利さを実感し、追加の機能のロックを解除すべく有料ユーザーになる

○Freemium Enterpriseの共通の成功点3つ = 協調的/ビジネスクリティカル/年金的

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「Google G Suite」「zoom」の共通点を紐解くと、以下のように言えると考えています。

・協調的:他のユーザーと共同で使うことができること
・ビジネスクリティカル:ビジネスを進める上での何かしらの負を効率化し、そのツールがなくてはならないものと言われるまでUXを高めること
・年金的:サブスクリプション課金方式であること

次に、toC市場を見ていきます。

フリーミアムモデル toC市場

○Freemium Consumer(2008)= 「Spotify」

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Spotifyの成功した理由は、世界中の音楽を無料で聴きたいという消費者の欲求に答えたから。ユーザーは好きな曲を探し、シェアし口コミを数を増やしていきます。

さらに、パーソナライゼーションで曲を自動で選択してあげる仕組みもあります。その結果、現在は約9000万人近いユーザーが利用し、有料ユーザーは約50%に届く勢いです。

○Freemium Consumer(2015)= 「Canva」

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Canvaはデザインツールの一つで、誰にでも簡単にプロのようなデザインができます。さらに、高いUXが無料で提供されています。

○Freemium Consumerの共通の成功点3つ = パーソナライズド/効率的/ソーシャル/年金的

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「Spotify」「Canva」の共通点を紐解くと、以下のように言えると考えています。

・パーソナライズド:AIがそのユーザーに特化したレコメンドを提供することなどによって、ユーザーの体験がリッチになること
・効率的:SpotifyやAmazonなどのように、探すことや外出の必要性といった負を効率化すること
・ソーシャル:シェアによって口コミが広がるように共通の話題性を生むコンテンツであること
・年金的:サブスクリプション課金方式であること

○フリーミアムモデルの進化を見てきましたが、これはまだまだ始まったばかり……

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○フリーミアムのビジネスモデルを中心にして上場した企業は、まだまだ少ないと考えられます

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フリーミアムモデルの2つのEnabler

○フリーミアムのビジネスモデルを後押しする(Enabler)のはCloudの発展です

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○Cloudを導入した企業(Amazon、Microsoft、Google)の収益は年率58%で増加しています

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○仕事の中でcloudに依存している割合が22%まで上昇しています

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○cloudの使用率はPaaS、laaS領域において1年間で10%上昇しています

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○フリーミアム・サブスクリプションモデルのEnablerはデジタル決済です

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cloud技術の発展と、デジタル決済技術がフリーミアムとサブスクリプションモデルの発展を後押ししています。

○59%がデジタルでお金のやりとりが発生していると考えられます

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これは「Visa」が合計8127人、20カ国(USA, Canada, UK, France, Poland, Germany, Sweden, Mexico, Brazil, Argentina, Colombia, Australia, China, India, Japan, South Korea, Russia, UAE, Kenya)の人に、直近10日間のお金の流れに関してアンケートをとったものです。

結果として、59%がデジタルで行われている決済であることがわかります。

まとめ

フリーミアムの基本から、進化の流れ、そして今後もこのビジネスモデルが拡大していくであろう要因を見てきました。私個人としては、フリーミアムモデルの中でも toBと toC領域で取り上げられている成功の要因が異なることが印象的でした。

無料版で高いUXを提供することはどの領域でも共通ですが、toBではコラボレーションの必要性、toCではパーソナライズ、シェアされる仕組みを取り入れることも重要です。また、サブスクリプションは今では取り入れるべき当たり前の課金方式となりました。

cloudとデジタル決済の発展によって今後もますますフリーミアムモデルのサービスが増えていくのではないでしょうか。


さて、次回は 「Data Growth」の章を解説します!

原本はこちらからご覧になれます。→「Internet Trends 2019」


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